コニシキソウ(読み)こにしきそう

改訂新版 世界大百科事典 「コニシキソウ」の意味・わかりやすい解説

コニシキソウ (小錦草)
Euphorbia supina Rafin.

1895年に牧野富太郎が東京と横浜で発見した北アメリカ原産の帰化植物で,現在では日本全国の畑地路傍にごく普通にみられるトウダイグサ科の小型の一年草暗赤色の細い茎が分枝しながら地上をはう。互生する長さ1cm弱の小さな葉の中央に,暗赤色の斑があるのが特徴。傷つけると白い乳液を出す。花期は7~10月ころ。花は赤褐色で,一つの花のように見えるが,雄花数個と雌花1個からなる小さな花序である。種子は水を吸うと粘り,靴などに付着して運ばれる。止血などに使用されることがある。在来の畑地雑草であるニシキソウE.pseudochamaesyce Fisch.Mey.et Lallem.は葉に斑がなく,茎や果実に毛がなく,立ち上がる傾向があることによって区別される。本州,四国,九州に分布する。またオオニシキソウE.maculata L.は茎が直立し,30cmに達する北アメリカ原産の帰化植物で,都市近郊にみられるが個体数は多くない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コニシキソウ」の意味・わかりやすい解説

コニシキソウ
こにしきそう / 小錦草
[学] Euphorbia maculata L.
Euphorbia supina Rafin.

トウダイグサ科(APG分類:トウダイグサ科)の一年草。根は細く、茎は地をはって広がり、長さ10~25センチメートルとなり、毛があり、暗紅色を帯びる。葉は対生し、倒卵楕円(だえん)形で長さ0.7~1センチメートル、鈍い鋸歯(きょし)があり、表面に紅斑(こうはん)があり、裏面は毛がある。7~10月、葉腋(ようえき)に小形の杯状(はいじょう)花序をつける。蒴果(さくか)は卵球形、径約1.8ミリメートルで下向きにつき、細毛が密生する。種子は長さ0.6ミリメートル、3稜(りょう)があり、表面に横じわがある。北アメリカ原産の帰化植物で、北海道から沖縄にかけての荒れ地道端の雑草となっている。名は、ニシキソウに似るが、小さいことによる。

[小林純子 2020年6月23日]

 ニシキソウの仲間はニシキソウ属Chamaesyceとして独立した属にすることもある。

[編集部 2020年6月23日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コニシキソウ」の意味・わかりやすい解説

コニシキソウ

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