コナグラ・フーズ(読み)こなぐらふーず(英語表記)ConAgra Foods, Inc.

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コナグラ・フーズ」の意味・わかりやすい解説

コナグラ・フーズ
こなぐらふーず
ConAgra Foods, Inc.

アメリカの大手総合食品・農産物製品グループ。世界最大規模食品工業会社の一つ。1919年、ネブラスカ州に設立された製粉会社ネブラスカ・コンソリデーテッド・ミルズ社の後身企業。1970年以降、企業買収などで多角的な食品メーカーに転身を図り、1971年コナグラConAgra, Inc.と改称。1983年に名門食肉メーカーのアーマーを買収したほか、いくつかの有力な水産会社を買収して規模を拡大した。さらに1990年にはスウィフトSwiftなど多数の有力ブランド食品をもつベアトリス・フーズの大部分を買収して総合食品メーカーとなり、これを機に現社名に改称した。コナグラが吸収合併した主要食品企業には、アーマー、スウィフト、ベアトリス、ノートン・サイモンなどが含まれる。

 コナグラ・フーズは売上げ1億ドル以上の有名ブランド33品目をもち、小売販売で約120億ドル、レストランや業務用に約100億ドルの売上高をもつアメリカ最大級の食品・農業製品企業となっている(データはすべて2000年)。2001年の総売上高は271億9420万ドル、純利益は6億3860万ドルに上る。同年の事業部門は、パッケージ食品(ブランドつきの保存性食品、冷凍品、冷蔵品)、食肉加工牛肉豚肉家禽(かきん)の精肉)、食品材料(調味料スパイス、穀物製粉事業)、農業製品(農家向け種子・肥料農薬の販売、農産物販売)からなり、パッケージ食品が売上高の約32%(利益の61%)、食肉加工が約49%(同24%)を占める。

[田口定雄]

その後の動き

絶えず新たなブランドを傘下に収めるとともに、手放してもおり、2006年には七面鳥・加工肉ブランドを、2007年には冷凍ピザのブランドなどを整理している。また、2008年3月に穀物取引事業をヘッジファンドのオスプライ・スペシャル・オポチュニティーズ・ファンドに6億ドルで売却した。消費者向け食品と業務用食品の販売が事業の二本柱であり、2009会計年度の総売上高は127億3120万ドル、純利益は9億7840万ドルであった。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コナグラ・フーズ」の意味・わかりやすい解説

コナグラ・フーズ
ConAgra Foods,Inc.

アメリカ合衆国の大手食品メーカー。 1919年ネブラスカ・コンソリデーテッド・ミルズとして設立。 1971年コナグラに社名変更。企業買収によって多角化はかり,成長する。 1977年乾燥ドッグ・フードのボー・ウーと特殊穀物販売のバーデック・グレイン,1983年アーマー食品,1986年シーフードのトライデント・シーフーズ,1989年アメリカ有数の鶏肉業者ホーリー・ファームス,1990年ベアトリス・フーズ,1991年電子レンジ調理用食品メーカーのゴールデン・バレー・マイクロウェーブ・フーズを買収。その後も買収を進め,数多くの食品ブランドを傘下に収めた。 2000年現社名に変更。事業内容は冷凍食品,加工食品の製造・販売のほか,製粉・穀物取引,肥料,農薬,配合飼料なども手がける。

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