コッペリア(英語表記)Coppéllia

精選版 日本国語大辞典 「コッペリア」の意味・読み・例文・類語

コッペリア

(Coppélia) バレエ曲。三幕四場。ドリーブ作曲。一八七〇年パリ初演ホフマン童話「砂男」に材をとったもので、五曲からなる組曲もある。

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デジタル大辞泉 「コッペリア」の意味・読み・例文・類語

コッペリア(Coppélia)

ドリーブ作曲のバレエ音楽。全3幕。1870年パリで初演。E=T=A=ホフマン小説に基づく、自動人形コッペリアをめぐる恋物語

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改訂新版 世界大百科事典 「コッペリア」の意味・わかりやすい解説

コッペリア
Coppéllia

ドリーブ作曲の3幕のバレエ。《エナメルの眼の娘》の副題をもつ。E.T.A.ホフマンの《砂男》を主題にC.ニュイッテルとサン・レオン台本化し,1870年5月パリ・オペラ座でサン・レオン振付で初演された。原作のもつ怪奇性はないが,ガルシア地方のある町に住むスワニルダと青年フランツの恋物語に人形コッペリアをからませ,スワニルダが人形になりかわって踊り,それを見て喜び悲しむ人形師コッペリウスをコミカルに描いている。ペチパは84年にマリインスキー劇場で上演,その後ソ連では数多くの改訂・上演が行われた。イギリスのローヤル・バレエ団は1946年にイワノーフチェケッティ版をもとに手を加えレパートリーとした。ニューヨーク・シティ・バレエ団にはバランチンの改訂(1974)がある。コッペリウスを主役にしたプティのバレエ(1975)は2幕で異色な現代版である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コッペリア」の意味・わかりやすい解説

コッペリア
こっぺりあ
Coppélia

バレエ。3幕4場。ドリーブ作曲。台本は、E・T・A・ホフマン原作の『砂男(すなおとこ)』をもとにシャルル・ニュイッテルが脚色、のちにアルチュール・サン・レオンが一部改作。振付けサン・レオン。1870年5月パリのオペラ座で初演。年老いた玩具(がんぐ)職人コッペリウス博士が美しい少女の人形をつくっている。少年のフランツは向かいの家からのぞいてその人形を生きていると錯覚し、コッペリウスの家に侵入するが、博士にみつかって捕らえられてしまう。恋人のスワニルダが人形に扮装(ふんそう)してフランツを救う、といった筋になっている。原作『砂男』での、幻想的で少年が最後に自殺してしまう結末を避け、序幕と終幕民族舞踊をちりばめて、楽しい作品になっている。ニューヨーク・シティ・バレエ団のものなど多くの改訂版があるが、ローラン・プチの改訂版は粋(いき)なコッペリウス博士を主役に据え、斬新(ざんしん)なものである。なお、原作の『砂男』はオッフェンバックによりオペラ『ホフマン物語』にも取り上げられている。

[市川 雅]

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百科事典マイペディア 「コッペリア」の意味・わかりやすい解説

コッペリア

ドリーブ作曲のバレエ音楽。5曲からなる演奏会用組曲も知られる。E.T.A.ホフマンの《砂男》を基にC.ニュイッテル〔1828-1899〕とA.サン・レオン〔1821-1870〕が共同で台本を書き,1870年パリのオペラ座でサン・レオン振付により初演。村娘スワニルダが人形作りコッペリウスの作った人形コッペリアになりすまして踊る人形振りの場面が有名。プティが現代的発想で1975年に新演出した版もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コッペリア」の意味・わかりやすい解説

コッペリア
Coppélia

3幕のバレエ。原作はホフマンの『眠りの精』。台本 C.ニュイット,A.M.サン=レオン。音楽 C.ドリーブ。振付サン=レオン。 1870年パリ・オペラ座で初演。原作の悲劇を喜劇に脚色したもので,スワニルダは恋人の若者フランツがコッペリアに心ひかれるのを気に病むが,コッペリアが人形であることを知り,2人はめでたく結婚するという筋。ロマンチック・バレエ衰退後のクラシック・バレエのなかで最も成功した作品の一つ。どのバレエ団もこの作品をレパートリーに入れているが,そのほとんどは改訂版で,パリ・オペラ座だけがフランツを女性舞踊手が扮装して演じる原形を 1950年代まで維持した。ロイヤル・バレエ団は L.イワーノフ,E.チェケッティの改訂版であり,デンマーク王立バレエ団の場合は H.ランダーが手を加えたものである。

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デジタル大辞泉プラス 「コッペリア」の解説

コッペリア〔クラシック〕

フランスの作曲家レオ・ドリーブのバレエ音楽(1870)。コッペリウス博士が作った自動人形コッペリアをめぐる恋模様を描いたもの。ホフマンの小説に基づく。原題《Coppélia, ou la Fille aux yeux d'émail》。

コッペリア〔バレエ〕

フランスの舞踊家・振付家アルチュール・サン・レオンによる全3幕のバレエ(1870)。原題《Coppélia, ou la fille aux yeux d'émail》。パリ、オペラ座で初演。ホフマンの小説『砂男』を題材とする。

コッペリア〔小説〕

加納朋子の長編ミステリー。2003年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内のコッペリアの言及

【ドリーブ】より

…ピアノ奏者,オルガン奏者を務めながらオペレッタ《炭2スー》(1855)以後,オペラを次々に発表。次いでバレエ曲も手がけ,《泉》(1866),《コッペリア》(1870),《シルビア》(1876)など,19世紀後半の重要なバレエ曲を残した。1881年母校作曲科教授。…

【バレエ音楽】より

…しかし,舞踊の因襲的な技法が自由な音楽表現の束縛となり,一級の作曲家たちはバレエ音楽に創作意欲を示さなかった。パリにおけるドリーブの《コッペリア》(1870)と《シルビア》(1876),モスクワにおけるチャイコフスキーの《白鳥の湖》(1876),ペテルブルグにおける同じ作曲家の《眠れる森の美女》(1890)と《くるみ割り人形》(1892)の成功は,この通念を打開し20世紀のバレエ音楽への道を開いた。 1910年代から20年代にかけて,ディアギレフの主宰する〈バレエ・リュッス〉のために,現代音楽の新しいイズムをもったバレエ音楽が相次いで創造される。…

※「コッペリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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