コクラン(Constant-Benoit Coquelin)(読み)こくらん(英語表記)Constant-Benoit Coquelin

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コクラン(Constant-Benoit Coquelin)
こくらん
Constant-Benoit Coquelin
(1841―1909)

フランスの俳優。国立演劇学校に学ぶ。喜劇的才にたけ、1864年にコメディ・フランセーズの座員となる。のちにヨーロッパ、アメリカを巡演。97年にはポルト・サン・マルタン座の座頭(ざがしら)に就任した。鋭い眼光、上向きの鼻で特異な表情、甲高い音色を巧みに操る朗唱術、そのうえ役の解釈に優れた彼の演技に魅せられたエドモン・ロスタンは、彼のために『シラノ・ド・ベルジュラック』を書き下ろす。この公演は大成功をおさめ、俳優コクランの名を高からしめた。著書に『芸術と俳優』(1880)、『俳優から見た俳優たち』(1882)などがある。

[加藤新吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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