コクタン(黒檀)(読み)コクタン

百科事典マイペディア 「コクタン(黒檀)」の意味・わかりやすい解説

コクタン(黒檀)【コクタン】

カキノキ科カキノキ属のうち,心材部が大きくて黒色で美しく,用材として利用される常緑高木総称。十数種があり,インド〜東南アジア,アフリカ熱帯部に分布する。うちインド,スリランカ産のインドコクタンは幹は直立し,水平に枝を出す。葉は革質,長楕円形で互生し,花冠は白色で4裂する。材は堅く緻密(ちみつ)。辺材は黒条のある灰色であるが,心材は真黒色でみがけば美しい光沢を示し,唐木(とうぼく)の一つとして古くから家具に賞用されている。本黒檀は本種のみを指すともいわれる。材の色調によってほかに縞黒檀,青黒檀,斑入(ふいり)黒檀が区別される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コクタン(黒檀)」の意味・わかりやすい解説

コクタン(黒檀)
コクタン
Diospyros ebenum

カキノキ科の常緑大高木で,インド南部とスリランカの原産といわれる。高さ 30m以上にもなり,枝分れしてほぼ水平に枝を伸ばす。この枝に長さ6~10cmの長楕円形で質の硬い葉を2列に互生する。花は葉腋に1個ずつつき,カキの花に似て大きな4裂した萼筒に包まれた杯状の花冠があり,上半部はやはり4片に裂ける。心材は堅く,黒く,磨くと光沢が出て美しいので,家具,楽器などに用いる。なお,同じカキノキ属の高木で,美しい材を提供する D. mollisD. embryopterisD. chloroxylonなどの材木を総称して黒檀と呼ぶことも多い。

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