コウヤマキ科(読み)こうやまきか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウヤマキ科」の意味・わかりやすい解説

コウヤマキ科
こうやまきか
[学] Sciadopityaceae

裸子植物。マツ科スギ科とともにショウハク目に属する。分子系統に基づく最近の分類ではヒノキ科イチイ科とともにヒノキ目に属する。雌花は球果をつくる。球果をつくる1枚の種鱗(しゅりん)の内側に5~15個の胚珠(はいしゅ)があり、2個の胚珠をもつマツ科とは異なる。偽輪生する葉は見かけ上は1枚であるが、基部は鱗片で包まれていて、2枚の葉の合着したもので、アカマツクロマツの2枚の葉をもつ短枝に相当するものと考えられている。胚嚢(はいのう)の構造からもマツ科(分子系統に基づく分類:マツ科)とスギ科(分子系統に基づく分類:ヒノキ科)の中間に位置するものと考えられる。1属1種の日本特産の科である。中生代末の化石が知られているので、メタセコイアより古い生きた化石植物ともいえる。

山崎 敬 2018年5月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android