コウホネ(河骨)(読み)コウホネ(英語表記)Nuphar japonicum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウホネ(河骨)」の意味・わかりやすい解説

コウホネ(河骨)
コウホネ
Nuphar japonicum

スイレン科の多年生の水草。カワホネともいう。日本各地の池沼中に生じる。根茎水底の泥中を横走し,その先端部から葉が出る。葉は円柱形の葉柄があり水面上に突き抜けて葉を出す。葉身は長卵形ないし長楕円形で先はとがり,基部は鏃 (やじり) 形をしている。しばしば細長い沈水葉も生じる。夏に,葉柄よりも長く,円柱形の花柄をもつ径 5cmほどの黄色の花が咲く。花は花弁状化した萼片5枚と多数の小型の花弁,おしべ多数が螺旋状に並び,その中心に広卵形の1子房がある。子房の頂部は盤状 (柱頭盤) をなし,放射上に柱頭が並ぶ。北海道や本州北部には別種ネムロコウホネ N. pumilumがあり,葉はスイレンのように水面に浮び,柱頭盤はやや赤みを帯びる。北半球の冷温帯に広い分布をもつ種である。

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百科事典マイペディア 「コウホネ(河骨)」の意味・わかりやすい解説

コウホネ(河骨)【コウホネ】

北海道〜九州,朝鮮半島小川や沼にはえるスイレン科の多年生水草。根茎は白くて太く,水中葉は薄い膜質,水上葉は長卵形で長さ20〜40cm,基部は矢尻形で厚くつやがある。花は夏咲き,萼片(がくへん)が花弁状で黄色5弁。花弁は多数あっておしべ状となる。おしべは多数,めしべは1個。根茎を乾燥したものを川骨(せんこつ)といい,強壮,止血など薬用にする。
→関連項目雨竜沼

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