コウゾ(楮)(読み)コウゾ(英語表記)Broussonetia kazinoki; paper mulberry

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウゾ(楮)」の意味・わかりやすい解説

コウゾ(楮)
コウゾ
Broussonetia kazinoki; paper mulberry

クワ科の落葉低木で,西日本および朝鮮半島に分布する。山地に自生するが,製紙原料として田のへりなどに広く栽培される。葉は卵形のものが多いが,しばしばクワの葉のように2~3裂する。自生するものでは高さ 2mに達し枝を張るが,栽培のものはクワと同様毎年刈込むために大きくはならない。雌雄同株で,7月頃に球状に固まった花序をつける。雄花序は枝の基部に,雌花序は枝の上部に生じる。古くは樹皮繊維で布を織り,ユウ (木綿) と呼んだ。和紙 (こうぞ紙) の製造は冬に刈取った枝を蒸してから皮をはぎ,一度乾燥してからたたいて繊維を解きほぐし,漂白したのち紙にすく。高知県をはじめ,山口県や佐賀,熊本両県などで生産が多い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android