コウジカビ(麹黴)(読み)コウジカビ(英語表記)Aspergillus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コウジカビ(麹黴)」の意味・わかりやすい解説

コウジカビ(麹黴)
コウジカビ
Aspergillus

不完全菌類モニリア目の1属できわめて普通にみられる。約 50種を数えることができる。なかでも米その他のデンプンを糖化する狭義コウジカビ A. oryzae,強力な酵素を有するので有名なクロカビ A. niger,土壌などにきわめて広く存在し,温血動物の病気を引起すケムリイロコウジカビ A. fumigatusなどが周知の種である。基質の表面に伸びる菌糸から,枝が空中に立上がりその先端が頭状になるが,その上に直接,または多数の小菌糸を生じた上に,フィアライドと称するとくり形の細胞を生じ,その頂端から絞り出すように分生子がつくられる。分生子は次々に生じて,長い鎖状になる。

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百科事典マイペディア 「コウジカビ(麹黴)」の意味・わかりやすい解説

コウジカビ(麹黴)【コウジカビ】

デンプンを含む有機物に生じる不完全菌類コウジカビ属のカビ。黄緑色,後に褐色の菌叢(きんそう)をつくる。菌糸から上端球状にふくれた分生子柄を出し,表面に1列の分生子梗(こう)を放射状につけ,それぞれの上に球状の分生子を鎖生する。デンプン,タンパク質の分解力が強く,古くから種麹(たねこうじ)の形で培養されてきた。日本酒,みそ,醤油などの製造に利用。→

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