日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゲーリー(アメリカ合衆国)
げーりー
Gary
アメリカ合衆国、インディアナ州北西部、ミシガン湖南岸の工業都市。人口10万2746(2000)。歴史は新しいが、合衆国の大工業地帯カルメット地区の中枢部を占める重要な都市で、鉄鉱石、石炭の産地に近く、世界有数の鉄鋼の町として有名である。何本もの鉄道、ハイウェーが入り組み、USスチール社とその傍系工場、ゲーリー製鋼所、ユニバーサル・アトラス・セメントなど20以上の主要工場が集中している。鋼鉄、ブリキ、レール、車輪、建築鋼材などを中心に、ボルト、ナットや衣料、プラスチック製品がつくられる。1905年USスチール社がこの地域の地の利を見込んで町を創設した。国内はもとより遠く外国からも多くの労働者を迎えて大鉄鋼都市に発展させ、19年の全米鉄鋼労働者のストライキでは中心的存在であった。一方、文化・教育施設も整い、町並み、道路整備も十分になされ、市民のための公園も多い。
[作野和世]