ゲンジボタル
Luciola cruciata
鞘翅目ホタル科。体長 12~18mmでヘイケボタルより大型。体は黒色,前胸背は淡赤色で,正中線上には中央で広がる黒条がある。腹端は雄では末端2節,雌では1節がそれぞれ黄白色の発光器になっている。頭部は背面からみるとほとんど前胸の下に隠れる。複眼は大きく,触角は糸状。前翅は左右ほぼ平行で,各翅にそれぞれ4条の弱い縦隆起がある。幼虫は清流にすみ,カワニナを捕食し,4~5月頃陸に上がって蛹化する。本州,四国,九州に分布する。
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「ゲンジボタル」の意味・わかりやすい解説
ゲンジボタル
ホタル科の甲虫の一種。体長15mm内外。黒色で胸は赤い。本州〜九州,対馬に分布。卵,幼虫,蛹(さなぎ),成虫ともに発光する。成虫の発光器は雄では第6,7節に,雌では第6節だけにある。幼虫は清流中にすみ,カワニナなどを食べる。成虫は5月下旬〜6月下旬に現れる。近年農薬により激減した。
→関連項目ヘイケボタル|ホタル(蛍)
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ゲンジボタル
げんじぼたる / 源氏蛍
[学] Luciola cruciata
昆虫綱甲虫目ホタル科に属する昆虫。本州、四国、九州に分布し、川辺に多い。体長12~20ミリメートル。黒色で前胸背面が淡赤色、中央に十字架状の黒紋がある。日本の代表的なホタルである。
[中根猛彦]
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ゲンジボタル【Luciola cruciata】
甲虫目ホタル科に属し,体長12~18mm(イラスト)。本州,四国,九州の各地に生息し,古くから日本人にもっとも親しまれてきた昆虫の一つであるが,開発によって都市周辺ではほとんど見られなくなった。成虫は6~7月に多く,ヘイケボタルより出現がやや早い。雌は流水の水辺のコケなどに直径約0.5mmの黄色卵を平均500個,もしくはそれ以上も産みつける。約1ヵ月後に孵化(ふか)した幼虫は流水中でカワニナ(巻貝)を食べ,水中で越冬,春までに6回脱皮して終齢となる。
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