ケープ(英語表記)Cape

精選版 日本国語大辞典 「ケープ」の意味・読み・例文・類語

ケープ

〘名〙 (cape) 肩に被い掛けるようにして着る袖のない短いマント。防寒、防雨用や海水着の上っ張り用、化粧用、幼児用などがある。
歌謡曲・海のメロディー(1929)〈時雨音羽〉四「ケープ吹かせて 渚をゆけば」

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デジタル大辞泉 「ケープ」の意味・読み・例文・類語

ケープ(cape)

袖のない肩掛けマント。日本では特に背や上腕だけをおおう短めのものをさす。
[類語]外套コートオーバーマントガウン被布合羽

ケープ(Cape)

南アフリカ共和国南西部にあった州。州都ケープタウン。独立前はイギリス領。南西部に喜望峰がある。1994年に西ケープ州など4州に分割された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケープ」の意味・わかりやすい解説

ケープ
Cape

南アフリカ共和国の南西半(国土の約 60%)を占めた,かつての州。正式名称は Cape of Good Hope。アフリカーンス語では Kaapprovinsie。当時の州都はケープタウン。北はナミビアボツワナ,北東部はレソトに国境を接する。1652年オランダ東インド会社が進出,1814年イギリス領ケープ植民地となり,1910年の南アフリカ連邦成立以降に州となった。大部分は内陸高原の南アフリカ台地上にあり,東,南,西の海岸低地とは,海岸線から 200~300km隔たって平行に走る大断崖によってかぎられる。この大断崖のうち,レソトとの境をなすドラケンスベルク山脈は標高約 3000mあり,最も高く険しい。南部では,大断崖と海岸に沿った山脈との間に大小のカルー台地があり,東部海岸と台地との間の河川の狭長な縦谷列の発達も特色。ケープタウンを中心とする南部および南西部海岸地方は地中海性気候で,穀類やブドウの栽培,果物,タバコの集約的農業が行なわれ,両カルー台地は牧羊,東部台地は粗放的な牧牛地帯。内陸高原は鉱産資源が豊富で,工業はケープタウンおよびポートエリザベス地区で生産額の大部分を占めた。1994年,西ケープ州東ケープ州北ケープ州の 3州および北西州一部へと分割された。

ケープ
cape

広義には,布や毛皮製の袖なし外套の総称。狭義にはその丈が短く,肩をおおい,腰丈に達する程度までのものをさす。前開きなのが特徴。現在はおもに女性用とされているが,中世,近世には男女ともに用いた。日本の合羽 (かっぱ) はケープを意味するポルトガル語カパ capaの転訛語。

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百科事典マイペディア 「ケープ」の意味・わかりやすい解説

ケープ

南アフリカ共和国南西部の地域名。同国のケープ州(正称はCape of Good Hope)を構成していたが,1994年東・西・北ケープ州に3分割された。東・西ケープ州は狭い海岸平野で,北ケープ州は内陸の高原,とくに北西部はカラハリ砂漠に続く荒地。白人と先住アフリカ人およびアジア人との混血が進み,カラード人口の比率が他州より高い。ブドウ,オレンジの栽培,牛,馬,羊の牧畜,ダチョウ飼育などが盛ん。キンバリー(鉱山)があるが,鉱産は減少傾向にある。主都ケープ・タウン(西ケープ州)周辺は工業地帯。アフリカ大陸で最も早くヨーロッパ人が定住した土地で,ケープ植民地として白人入植の拠点となった。1652年にオランダ東インド会社が植民を開始,17世紀にはユグノーが移住した。1814年英領,1910年南ア連邦の1州となった。西ケープ州582万2734人,東ケープ州656万2053人,北ケープ州114万5861人(2011)。
→関連項目グレート・トレック

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改訂新版 世界大百科事典 「ケープ」の意味・わかりやすい解説

ケープ
cape

袖なしの円形の外衣で,肩から足首までのさまざまの着丈のものがあり,フードをつけることもある。外套,雨具として男女,子どもに着用されてきた。起源は古く,最古遺品としてはデンマークのボルム・エシェイから青銅器時代の毛織物製半円形の外衣が発掘されている。ケープが流行したのは16世紀スペインで,男子がダブレットという上衣の上に黒い絹製の短いケープを着用した。その後西欧に伝播し,17世紀には黒以外の色のものも見られた。18世紀末から19世紀にかけて大流行し,文学者,法律家,官吏御者など広い階層に用いられた。女性はクリノリン・スタイルの上に着た。日本には16世紀にポルトガル人によってもたらされ,上杉謙信などの武将が用いた。後に合羽として庶民に普及した。
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デジタル大辞泉プラス 「ケープ」の解説

ケープ

花王株式会社が販売する整髪料のブランド名。スタイリングした髪型を長時間保つヘアスプレー。

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世界大百科事典(旧版)内のケープの言及

【岬】より

…海に突出した陸地の先端部。成因としては,山稜が沈水した場合や,硬い岩石からなるため波の浸食に抗して形成される場合が多い。また砂の堆積で突出する砂嘴(さし)の岬もある。瀬戸内海の岬の多くは沈水山稜タイプであり,太平洋に突出する犬吠埼(いぬぼうさき),伊良湖岬(いらごみさき)などは硬岩タイプである。また北海道の野付崎(のつけざき),神戸の和田岬などは砂嘴タイプである。岬を示す用語としては,岬,崎,埼,碕のほかに角,鼻などがある。…

※「ケープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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