ケレタロの歴史史跡地区(読み)ケレタロのれきししせきちく

世界遺産詳解 「ケレタロの歴史史跡地区」の解説

ケレタロのれきししせきちく【ケレタロの歴史史跡地区】

1996年に登録された世界遺産(文化遺産)で、メキシコ・シティの北西約180km、メキシコ中央部の高地にある。ケレタロは、ヌエバ・エスパーニャ(スペイン領メキシコ)を統治した初代副王メンドサのもと、スペイン人と先住民が平等に暮らすことを理念として、1531年に都市建設が始まった。サン・フランシスコ聖堂を中心に、西側にスペイン人居住区、東側に先住民居住区が広がり、スペイン人居住区は碁盤目状に整然と区分けされ、先住民居住区は狭く曲がりくねった道路沿いに建物が並んだ。このケレタロは、スペイン人と先住民が共生し、繁栄を分かち合った、稀少な植民都市である。ケレタロは織物、タバコ産業などで栄えるとともに、グアナフアトなど北西にある鉱山都市への補給基地としても繁栄した。人口は、17世紀半ばに3万人を超え、メキシコ・シティ、プエブラに次ぐ第3の都市となった。歴史史跡地区には、サン・アグスティン教会、サン・フランシスコ教会、カサ・デ・ラ・コレヒドーラ、サンタ・クルス修道院などスペイン植民地時代の建造物が点在している。このような建物群と町並みが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はHistoric Monuments Zone of Querétaro

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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