グローバル・スタンダード(読み)グローバルスタンダード

百科事典マイペディア の解説

グローバル・スタンダード

世界標準ともいい,世界的規模で通用している基準規格をいう。1980年代以降,情報通信技術や金融システムの発達,輸送手段の多様化などにより,企業や個人,政府の活動は世界的な規模で行われるようになった。こうした国際経済の加速度的な進展が,一国の産業構造や社会経済システムだけではもはや機能しないことが明らかになってきた。その対応策として国際標準化機構ISO)などの国際機関が統一規格や基準を定めてはいるが,一方市場競争の結果,市場に受け入れられ標準化したグローバル・スタンダードで経済活動が行われている。90年代以降のさらなるグローバリズムの急速な進行なかで,経済,経営,産業,技術,法律,政治,サービス等々,あらゆる分野でこの概念が用いられるようになった。さまざまな資格などについても使われ,今日では大学の評価についても世界標準が指摘される。しかし必ずしも世界標準の内容に一義的な定義が与えられているわけではなく,デファクトスタンダード(結果としての事実上の標準)が世界標準となることもある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

グローバル・スタンダード
global standard

世界的な共通の基準という意味で,企業活動や経営手法,企業における意思決定のあり方に関して使われる言葉。経済の国際化,ボーダーレス化に伴って,企業活動も自国にだけ通用するルールから,世界的に共通なルールのもとでの競争にならざるをえない。その際,世界市場で最も影響力のある,あるいは支配的なシステム,慣行がグローバル・スタンダードとなる傾向が強く,現在のグローバル・スタンダードは欧米型のシステムであり,情報公開や意思決定の透明性,経営者も含めた社員の自己責任などが求められる。特に金融関係の企業における経営指標国際標準という意味で用いられることが多く,国際決済銀行が定めた自己資本比率や株主資本比率が当面の指標となっている。

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