グレート・ブリテン王国(読み)ぐれーとぶりてんおうこく(英語表記)Kingdom of Great Britain

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グレート・ブリテン王国」の意味・わかりやすい解説

グレート・ブリテン王国
ぐれーとぶりてんおうこく
Kingdom of Great Britain

1707年5月、イングランドスコットランド両王国の合同によって成立した王国。両王国は1603年以降スチュアート家のもとで同君連合の関係にあったが、1707年制定された「合同法」は、スコットランドに対してその議会を廃止し、かわりに45人の下院議員と16人の貴族とをイングランド議会に加え、その代償としてイングランド市場における貿易制限を撤廃した。しかし、スコットランド独自の司法制度と長老教会主義をとる国教会はそのまま存続を認められた。この合同によってイギリス飛躍足掛りを固めた。なお「グレート・ブリテン」(大ブリテン)とはフランスのブルターニュ地方を「小ブリテン」とよぶこととの対比イギリス諸島をよんだことに由来する。なお、スコットランド議会は1997年の住民投票で復活が決定し、99年5月、約300年ぶりに議会選挙が実施され、6月、行政府が発足した。

[今井 宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グレート・ブリテン王国」の意味・わかりやすい解説

グレート・ブリテン王国
グレート・ブリテンおうこく
Kingdom of Great Britain

1707年のイングランドスコットランドの合同(→合同法)によって成立したイギリス公式名称。1604年以来,同君連合の関係にあった両国において用いられることもあった。1801年のアイルランド合同からは「グレートブリテンおよびアイルランド連合王国」となり,1921年アイルランド自由国が成立してからは「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」がイギリスの正式名称となった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android