日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グレゴリオス(ナジアンゾスのグレゴリオス)
ぐれごりおす
Grēgorios ho Nazianzos
(329ころ―389ころ)
バシレイオス、ニッサのグレゴリオスとともに「カッパドキア三教父」の一人。「神学者」とも称される。父はカッパドキアのナジアンゾスの司教。当時のキリスト論論争の激化のなかで、正統派の信仰を擁護、とくにキリストの人性をあいまいにしたアポリナリオスの説に反対して、キリストの完全な人性を主張した。381年、コンスタンティノープルの司教に就任したが、まもなく辞任、以後隠修生活に入った。彼は「クリスチャン・デモステネス」とよばれたほど雄弁な説教家で、優れた著述家でもあり、古典的教養に満ちた数々の著作を通じて正統派の三位(さんみ)一体論の完成に尽力した。
[島 創平 2015年1月20日]
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