グリーゼ(読み)ぐりーぜ(英語表記)Friedrich Griese

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グリーゼ」の意味・わかりやすい解説

グリーゼ
Griese, Friedrich

[生]1890.10.2. レーステン
[没]1975.6.29. リューベック
ドイツ農民文学作家。農村に生れ教師となる。第1次世界大戦で負傷し教職を退き作家生活に入る。ナチス文学のにない手の一人。しかし時流に乗ったナチス作家ではなく,1920年代から大地の生活を描いていた。『冬』 Winter (1927) ,『最後の顔』 Das letze Gesicht (34) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「グリーゼ」の意味・わかりやすい解説

グリーゼ
ぐりーぜ
Friedrich Griese
(1890―1975)

ドイツの小説家劇作家。メクレンブルク地方の風土背景にした農民文学の代表者の一人。ハムスンや中世北欧文学の影響を受けた彼の作品は、とりわけナチス時代の民族主義的な「血と土のイデオロギー」に貢献する役割を果たした。小説に『冬』(1927)、『永遠の耕地』(1930)、『最後の顔』(1934)、『忘れられない顔』(1962)、戯曲『大地からつくられた人々』(1932)などがある。

[谷川道子]

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