グラフト共重合体(読み)グラフトきょうじゅうごうたい(英語表記)graft copolymer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グラフト共重合体」の意味・わかりやすい解説

グラフト共重合体
グラフトきょうじゅうごうたい
graft copolymer

1本の高分子を幹にして,他の種類の高分子の枝をつけた重合体。つぎ木 graftをしたようになっているのでこのように名づけられている。グラフト共重合体を生成する反応をグラフト共重合といい,種々の方法が工夫されているが,幹ポリマーの存在で枝ポリマーの単量体を重合させる方法が一般的である。グラフト共重合体は幹と枝の両方の重合体の性質をもっているので,繊維やプラスチックの性質の改善に利用される。もろいポリスチレンやポリ塩化ビニルの幹に軟らかいゴム状の枝をつけて耐衝撃性を向上させるのはこの例である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のグラフト共重合体の言及

【共重合】より

…規則正しい配列順序,たとえば-ABABABABAB-(交互共重合体)のできる場合もある。下に示すようなブロック共重合体やグラフト共重合体は,一方の単独重合体と他方のモノマーあるいは単独重合体との反応で合成され,それぞれ独特の性質を示す。 -AAAAABBBBB- ……ブロック共重合体  -AAAAA-BBBBB- ……グラフト共重合体 前者を生成する重合反応をブロック重合block polymerization,後者を生成する重合反応をグラフト重合graft polymerizationという。…

※「グラフト共重合体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」