日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
グラスゴー(Ellen Anderson Glasgow)
ぐらすごー
Ellen Anderson Glasgow
(1873―1945)
アメリカの女流作家。バージニア州リッチモンドの名家に生まれたが、病弱のため学校教育を受けず、文学に親しんだ。感傷的なロマンスを排し、南北戦争以後の南部の現実を直視することを主張して『人民の声』(1900)以後、バージニアを舞台にした南部の「社会史」を書き続けた。南部の寒村に生きるたくましい女性を描いた『不毛の土地』(1925)、『鉄の鉱脈』(1935)が代表作。ほかに1942年度ピュリッツァー賞受賞作『このわれらの生に』(1941)、死後出版された自伝『内なる女』(1954)がある。
[井上謙治]
『L・オーキンクロス著、佐藤宏子訳『アメリカ文学の開拓者たち』(1971・研究社出版)』