日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアテマラ(市)」の意味・わかりやすい解説
グアテマラ(市)
ぐあてまら
Guatemala City
中央アメリカ、グアテマラ共和国の首都。アグア火山(3725メートル)とモタグア川河谷の間に広がる高原に位置する。年平均気温は20℃、年降水量は1316ミリメートルで5~10月が雨期となる。人口82万3301(1994センサス)、112万8800(2003推計)、中央アメリカ有数の都市である。1960年代初めには人口は60万弱であったが、他のラテンアメリカ諸国の首都と同様、人口増加が著しく、政治、経済、文化の中心的機能が集中する卓越都市(プライマイト・シティ)となっている。1773年の大地震により当時のスペイン領グアテマラの首都アンティグアが壊滅したため、1776年に当地グアテマラに遷都した。以後グアテマラはグアテマラ総督領の首都としてスペインの中央アメリカ支配の中心地となった。1917年、18年、76年には大地震の被害を被った。1960年代のグアテマラ共和国の目覚ましい工業化に伴い、主要な工業が集積し、農村からの人口流入によって著しく人口が増加した。パン・アメリカン・ハイウェーに沿い、カリブ海沿岸の外港プエルト・バリオスと太平洋沿岸の外港サン・ホセに鉄道が通じ、南方にはアウロラ国際空港があるなど交通の要地である。1676年創立のサン・カルロス大学があり、マヤ文明の遺跡カミナルフュー遺跡が残る。
[栗原尚子]