クワント(英語表記)Quant, Mary

デジタル大辞泉 「クワント」の意味・読み・例文・類語

クワント(Mary Quant)

[1930~2023]英国の服飾デザイナー。1960年代初頭にミニスカート発表、世界的大ブームを巻き起こした。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クワント」の意味・わかりやすい解説

クワント
Quant, Mary

[生]1934.2.11. ロンドン
[没]2023.4.13. サリー
マリー・クワント。イギリスファッションデザイナー。フルネーム Dame Barbara Mary Quant。ロンドンのチェルシー地区を拠点に 1960年代,若者向けにミニスカートやホットパンツを発表し,大流行を引き起こした。
ロンドンのゴールドスミス美術学校で学んだのち,高級婦人帽子店の職人のもとに弟子入りし,2年間働く。1955年,夫や友人と共同でチェルシーのキングズロードに最初のブティックバザール」Bazaarを開店。たちまち成功を収め,1964年にはヨーロッパやアメリカ合衆国にも店舗を拡大し,既製服量産した。ファッションデザインを社会の支配者層ではない若者たちの創造性を反映したものに変え,ひだのあるミニスカートに足首までの白い靴下,ストラップ付きの黒いエナメル靴といった「女の子がダンス教室に通う」ような装いで最も知られた。1970年代初頭には衣服の量産をやめたが,衣類・服飾,毛皮用品,下着,リネン類,めがねフレーム等のデザインは続けた。また,1955年に始めた化粧品事業も 2000年に売却するまで指揮をとった。
1973~74年ロンドン博物館で自身のファッションの回顧展を催し,1976~78年にはビクトリア・アンド・アルバート美術館の諮問委員を務めた。同美術館では 2019年に国際回顧展「マリー・クワント」が企画され,オーストラリアニュージーランド,日本などを巡回した。1966年大英帝国四等勲功章 OBE,2015年大英帝国二等勲功章 DBEを受章著書に"Quant by Quant"(1966),『マリー・クヮント』Mary Quant: Autobiography(2012)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クワント」の意味・わかりやすい解説

クワント
くわんと
Mary Quant
(1930―2023)

イギリスの服飾デザイナー。1960年代の若々しさの象徴、ミニスカートによって、ロンドンを世界でもっとも影響力のあるファッション・センターの一つとする功績を果たした。モッズ・ルックの元祖となった「バザー」を、1955年キングス・ロードに開店。ここで彼女は、自分が着たいと思うもの、つまり同世代の若者たちが着たいと願うものをつくりだした。1959年に発表した膝(ひざ)上丈の画期的なミニスカートは、世界中をミニスカート旋風に巻き込むことになった。1963年にはビートルズとともにエリザベス女王エリザベス2世)から第四等英帝国勲章を授与された。

[深井晃子]

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百科事典マイペディア 「クワント」の意味・わかりやすい解説

クワント

英国の服飾デザイナー。1959年膝上丈のミニ・スカートを発表。1960年代から1970年代にかけての世界的な大流行の先駆となった。またカラー・タイツやヒップボーン・ベルトも作り出した。クワントの服は年齢身分を超えて受け入れられ,現在にいたるヤング・ファッション,カジュアル化に大きな役割をはたした。

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