クルップ(Gustav Krupp von Bohlen und Halbach)(読み)くるっぷ(英語表記)Gustav Krupp von Bohlen und Halbach

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クルップ(Gustav Krupp von Bohlen und Halbach)
くるっぷ
Gustav Krupp von Bohlen und Halbach
(1870―1950)

ドイツの工業家。西南ドイツ出身。外交官から、アルフレートの孫娘クルップ家相続人であるベルタと1906年に結婚してクルップ会長となる。クルップ家の権力地位と行動様式を皇帝ウィルヘルム2世の庇護(ひご)のもとに確立。権力に忠誠、業務能率至上主義の典型的なドイツ官僚タイプで、クルップ伝統の経営指導を貫徹しつつ、第一次世界大戦(ベルタ砲の製作)、ワイマール期再軍備を通じてヨーロッパ最大の総合的軍需企業を築いた。ヒトラーを支持してその政権獲得と第二次世界大戦の遂行を促進、「ドイツ経済指導者(フューラー)」の称号を得た。戦犯としてニュルンベルク裁判で訴追されたが、病気により免れる。

[福応 健]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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