クリーク(民族)(読み)くりーく(英語表記)Creek

翻訳|Creek

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリーク(民族)」の意味・わかりやすい解説

クリーク(民族)
くりーく
Creek

かつてアメリカ合衆国のジョージア州アラバマ州に住んでいたマスコギー(ムスコギーともいう)語系の北米先住民(アメリカ・インディアン)。1950年にはオクラホマ州に約5万人、アラバマ州に約500人が住んでいた。現人口は4万5872人(1990)。

 トウモロコシカボチャ、豆類を栽培したが、農耕は主として女性の仕事で、男性は狩猟と戦いに携わった。50以上の母系トーテム氏族に分かれ、それらが胞族をなしていた。村は白組と赤組の二つの地域集団に分かれ、前者は平和の儀礼後者は戦争の儀礼をつかさどっていた。クリークの社会には世襲的な身分の違いはなかったが、個人的能力、たとえば戦場での功績によって階級ができていた。側面に階段をつけた台形状に盛り土をし、その上に草葺(くさぶ)きのドーム状屋根をもつ宗教用建造物をつくった。

 1813~14年のクリーク戦争に敗れたのち、クリークは一部を残してオクラホマ州に強制移住させられた。現在では、もともとの彼らの固有の言語や文化はほとんど失われている。

[板橋作美]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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