日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クリューガー(Stephanus Johannes Paulus Krüger)
くりゅーがー
Stephanus Johannes Paulus Krüger
(1825―1904)
南アフリカ、トランスバール共和国の最後の大統領(在位1883~99)。ケープ植民地ザウトパンスドリフトの農民の子として生まれ、グレート・トレック(内陸大移動)の際に両親とともにトランスバールに移動、定着した。第一次ブーア戦争(1880~81)ではトランスバールの代表としてロンドンに赴いた。1883年トランスバール共和国大統領に選出されたが、86年同国内での金の富鉱の発見とともにイギリスはふたたび同国の併合を企て、第二次ブーア戦争(1899~1902)を起こした。ブーア人はクリューガーを中心に団結して戦ったが敗れた。1900年、フランス、オランダの援軍を求めて国外に脱出したが、04年スイスで客死した。
[林 晃史]