クランベリー
くらんべりー
cranberry
[学] Vaccinium macrocarpon Ait.
ツツジ科(APG分類:ツツジ科)の常緑藤本(とうほん)。つるは数メートルにも及び地をはう。葉は長楕円(ちょうだえん)形、先は丸く、長さ1.2センチメートル、幅0.6センチメートル。初夏のころ、花は短い上向きの短枝の葉腋(ようえき)から出る花柄上に単生する。花柄は2枚の包葉をもち、短毛がある花冠は深く切れ込み、満開時に反転する。果実は液果で丸くやや長め、直径1.0~1.5センチメートル、濃桃色から赤色を呈する。砂糖煮、ゼリー状ソース、パイ、果汁などに加工する。アメリカ北部の湿地帯原産で、酸度の高い泥炭地でよく育つ。品種ではバーグマンやウィルコックスなどが優れている。染色体数は2n=24であるが、近縁種に2n=48、72のものがある。
[飯塚宗夫 2021年4月16日]
英語のクランベリーはツツジ科のツルコケモモ、ヒメツルコケモモ、オオミツルコケモモ、アクシバなどをさす。
[編集部 2021年4月16日]
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クランベリー
〘名〙 (cranberry) ツツジ科の小低木。北アメリカ北部の泥炭地に自生し、
果樹として栽培もされる。高さ一メートルぐらいになり、小さな葉を互生する。花は紅色。果実は
球形で径八~一五ミリメートルになり、暗紅色に熟す。
生食用や
ジャム用とし、アメリカでは収穫、感謝祭の七面鳥料理のソースとして、不可欠とされる。おおみつるこけもも。
※あめりか物語(1908)〈永井荷風〉夜の女「晩食はいつも極ったローストビーフか然らずばロースポークと馬鈴薯。クラムベリー、ソースにセレリー」
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クランベリー
ツツジ科の常緑小低木。北米北東部の湿地に自生している。冷涼な気候を好み,栽培には泥炭や腐食の多い酸性土壌が適する。現在米国とカナダで大規模に栽培されている。匍匐(ほふく)性の茎から伸びた直立枝に淡紅色の花を着ける。花期は6〜7月で,果実は9〜10月に熟する。果実は直径1〜2cm程度の大きさで,熟すと赤くなる。酸味が強いため生食には向かず,ジュースやパイ,ケーキなどの材料に利用されている。
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クランベリー
[Vaccinium oxycoccos],[V. macrocarpon].日本名ツルコケモモ.ツツジ目ツツジ科の常緑低木.果実を食用にし,またジャムなどに加工する.
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クランベリー(cranberry)
ツツジ科の常緑の蔓性植物。葉は長楕円形。初夏に紅色の花が咲き、球形の赤い実を結ぶ。果実を生食やジュースなどにして賞味。北アメリカの原産。
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クランベリー【cranberry】
アメリカ北部湿地帯原産の小果樹で,ツツジ科の半常緑草状低木。インディアンたちが利用していた野生種を改良し,今日ではマサチューセッツ,ウィスコンシンなど5州で大規模に栽培されている。ヨーロッパでも作り始めているが,日本ではまだである。高さ10~20cmくらい。茎はつる状ではい,直立茎から出た釣針形の花茎(フック)に着花し,秋,指頭くらいの球形赤色果をつける。フックに花つぼみのつくさまがツル(クレーンcrane)の首と頭とくちばしに似ることからクランベリーの名がある。
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世界大百科事典内のクランベリーの言及
【コケモモ(苔桃)】より
…また最近は乳製品と組み合わせ,アイスクリーム,ヨーグルトに混ぜたりする。近縁種のツルコケモモV.oxycoccus L.やクランベリーは,草状で地上茎がつる状にはう。クランベリーは北アメリカに原生し,果実は指頭大で豊産のため,アメリカで大産業に発展し,ヨーロッパにも増えつつある。…
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