クライン(Yves Klein)(読み)くらいん(英語表記)Yves Klein

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クライン(Yves Klein)
くらいん
Yves Klein
(1928―1962)

フランスの画家ニースに生まれ、東洋語学校に学ぶ。完全に単色の画面を1946年以来制作。各地を旅し、52~53年(昭和27~28)には日本に滞在した。50年最初の個展ロンドンで、パリでは55年に開催。単色、とくに深い紺碧(こんぺき)一色で画面を覆う。この色はI.K.B.(インターナショナル・クライン・ブルー)として名高い青で、無限定の宇宙を描こうとする。のちにこの青にバラ色や金が加わった。また白い壁だけを提示したパリのイリス・クレール画廊での「無の展覧会」(1958)や、最初のハプニング・ボディ・アートであった裸体のモデルを「生きた筆」とした作品、あるいはガスの火を用いた作品(パリ近代美術館)などの試みがある。

中山公男

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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