クマシ(英語表記)Kumasi

デジタル大辞泉 「クマシ」の意味・読み・例文・類語

クマシ(Kumasi)

ガーナ中部の都市アシャンティ州州都同国第二の規模をもつ。古くから海岸部と内陸部を結ぶ交易路の中継地であり、17世紀にアシャンティ王国首都が置かれた。カカオ集散地周辺にはアシャンティ族の伝統的な建築物群があり、1980年に世界遺産文化遺産)に登録された。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「クマシ」の意味・わかりやすい解説

クマシ
Kumasi

西アフリカのガーナ第2の都市。人口62万8000(2002)。首都アクラの北西約200kmの内陸にあり,アシャンティ州の州都である。この州はカカオの産地であるが,その集散地として道路が発達し,アクラおよびタコラディ港とは幹線道路と鉄道で結ばれている。商工業中心であるほか,科学技術大学などの高等教育機関,博物館,農業試験場がある。17世紀末にアシャンティ(アサンテ)王国が成立し,1700年頃にクマシがその王都として建設された。19世紀にイギリスと激しく戦ったアシャンティ王国は1896年に敗れ,1901年にイギリス植民地ゴールド・コーストに併合された。アシャンティ王国には金の産出が多く,その王の権力と住民の団結シンボルは,1700年頃天空から降下したという〈黄金の腰掛けGolden Stool〉である。1897年からイギリスによる近代的都市建設が始まり,1943年から市議会が置かれた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クマシ」の意味・わかりやすい解説

クマシ
Kumasi

ガーナ中南部の都市。アシャンティ州の州都。アクラ北西約 200kmの丘陵地帯に位置。 17世紀アシャンティ王国の首都。 19世紀末イギリス支配下となり,1897年以降,近代的な都市づくりが開始された。現在もアシャンティ族の中心地で,周辺はカカオの大産地。東西南北を結ぶ道路と鉄道交通の要衝で,西アフリカ屈指の商工業中心地。カカオ,木材,食料品を移出し,繊維類,金物を移入。西アフリカの庭園都市と呼ばれる美しい町で,文化・教育施設も整い,教育大学,工業大学,農業試験所,博物館,動物園,スポーツスタジアム,国内空港などがある。人口 38万 5192 (1988推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クマシ」の意味・わかりやすい解説

クマシ
くまし
Kumasi

西アフリカ、ガーナ中部にある同国第二の都市。アシャンティ州の州都で、同州の政治、経済、文化の中心地である。熱帯雨林地帯の標高300メートルに位置する。人口61万0600(2001推計)。17世紀にアシャンティ王国のオセイ・ツツによって建設され、同国の首都となり、現在のガーナ北部と南部海岸地方をつなぐ通商路にあたっていた。20世紀初頭イギリスの植民地となってから、ココア栽培の中心地として発展した。ガーナの伝統的な織物ケンテの生産地として知られ、クマシ科学技術大学がある。

[中村弘光]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「クマシ」の意味・わかりやすい解説

クマシ

ガーナ中央部,アシャンティ地方の主都。カカオ産地の中心で,商業,交通の要地。各種の工業も行われる。アシャンティ王国の古都。大学(1951年創立)がある。117万270人(2000)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android