クビチェック(英語表記)Juscelino Kubitschek de Oliveira

改訂新版 世界大百科事典 「クビチェック」の意味・わかりやすい解説

クビチェック
Juscelino Kubitschek de Oliveira
生没年:1902-76

ブラジル政治家大統領(1956-60)。ミナス・ジェライス州ディアマンティナ生れ。ベロ・オリゾンテ市の医学校を卒業,フランスに留学。1933年バルガス支持派として政界進出し,連邦下院議員,ベロ・オリゾンテ市長,連邦下院議員,ミナス州知事を歴任した。55年の大統領選挙では,バルガスの創立した社会民主党(PSD)とブラジル労働党(PTB)の支持を受けて当選した。就任後新首都ブラジリア建設に着手し,60年リオ・デ・ジャネイロからの遷都を実現した。〈50年の進歩を5年で〉というスローガンの下に,道路,水力発電所などの産業基盤整備造船自動車製鉄などの基幹産業の育成確立に努め,また,北東部の地域開発機関SUDENEを創設するなどの業績があったが,インフレを悪化させた。外交面では,〈進歩のための同盟〉の母体となった〈オペレーション・パンアメリカン〉を提唱した。
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百科事典マイペディア 「クビチェック」の意味・わかりやすい解説

クビチェック

ブラジルの政治家。1933年バルガス支持派として政界に進出。1955年大統領に当選(―1960年)。新首都ブラジリアの建設に着手し,1960年遷都を実現。〈50年の進歩を5年で〉というスローガンのもとに産業基盤の整備,造船,自動車,製鉄などの基幹産業の育成確立に務め,北東部(ノルデステ)の地域開発機関を創設したが,インフレを悪化させた。
→関連項目ブラジル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クビチェック」の意味・わかりやすい解説

クビチェック
くびちぇっく
Juscelino Kubitschek de Oliveira
(1902―1976)

ブラジルの政治家。ミナス・ジェライス州出身。ベロ・オリゾンテ市長、ミナス・ジェライス州知事を経て大統領となる(1956~1961)。アイデア豊かな政治家で、ブラジルの経済開発を進めたが、とくに新首都ブラジリアを内陸奥地に建設したことで有名。ラテンアメリカ経済開発のためパン・アメリカン・オペレーションを提唱。1964年の軍事クーデターで一時亡命、帰国後実業家となったが、交通事故で死亡した。

[加茂雄三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クビチェック」の意味・わかりやすい解説

クビチェック
Kubitschek de Oliveira, Juscelino

[生]1902.9.12. ミナスジェライス
[没]1976.8.22. リオデジャネイロ近郊
ブラジルの医師,政治家。 1933年政界に入り,34年連邦議会に選出された。 51~55年ミナスジェライス州知事を経て,56~60年大統領をつとめた。「50年を5年で」をスローガンに工業化,奥地開発,新首都ブラジリアの建設を進めた。しかし急激な工業化政策とブラジリア建設などによる赤字財政はインフレを招き,経済困難を深刻化させ,クーデターにより大統領の地位を追われた。

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