ギリア(読み)ぎりあ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギリア」の意味・わかりやすい解説

ギリア
ぎりあ
[学] Gilia lutea Benth.
Leptosiphon parviflorus Benth.

ハナシノブ科(APG分類:ハナシノブ科)の一年草。レプトシホンの名で広く栽培される。アメリカのカリフォルニア原産。高さ10~20センチメートルで、茎は多数分岐し叢生(そうせい)する。葉は細く松葉状に分裂して、茎に輪生しているようにみえる。5月、枝の先端に星形に5裂した径約8ミリメートルの小形の花を数個つける。花筒部は長さ約2センチメートル、細長くて花柄のようにみえる。花色は黄、黄白、紅、橙(だいだい)、桃、紫などあって、株を覆うように盛んに咲く。9月に播種(はしゅ)し、一度移植してから鉢に植えてフレーム内で越冬させ、春、花壇に植える。小花が輝くように咲くので毛氈(もうせん)花壇またはロック・ガーデンに適する。

[山口美智子 2021年3月22日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギリア」の意味・わかりやすい解説

ギリア
Gilia

ハナシノブ科の1属で一,二年草または多年草。小さな5弁花が集まってかんざしのように丸い頭花を形成するギリア・レプタンサ G.reptansaと,レプタンサによく似るが,全体に茎葉が細く繊細な感じのするギリア・カピタタ G.capitataの2種が,切り花としても流通するためよく知られる。いずれも羽状複葉をもち,花色は濃紫色,水色白色など。ほかに弁先が紫で内側は白く,のど部が紫褐色のギリア・トリコロール G.tricolorレプトシフォン G.luteaなどが栽培される。じょうぶで病虫害もほとんどなく,土壌も選ばないため栽培しやすい。秋または春に日当たりのよい場所に種子をまく。

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百科事典マイペディア 「ギリア」の意味・わかりやすい解説

ギリア

おもに北アメリカ西部に原産するハナシノブ科の1年草または多年草で,約50種がある。日本ではギリア・トリカラーヒメハナシノブ)やギリア・カピタタなどが栽培される。前者は高さ60〜70cmになる1年草で,羽状に細裂した葉を互生し,茎の先に数花を集散状につける。花は径2cmほどで5裂し,裂片が藤色,喉部は黄色で紫斑が入る。後者はタマザキヒメハナシノブという和名のとおり茎の先に50〜100個の小さな花を密集させて球状花序をつくる。花色はふつう淡青紫色。花壇や切花に利用される。
→関連項目レプトシフォン

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