ギヌラ(読み)ぎぬら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギヌラ」の意味・わかりやすい解説

ギヌラ
ぎぬら
[学] Gynura

キク科(APG分類:キク科)の常緑多年草で、熱帯アフリカ、マダガスカル島、東南アジアなどに約100種分布する。この属の1種サンシチソウ(三七草)は慶長(けいちょう)年間(1596~1615)に中国から渡来した多年草で、止血など民間薬に用いる。葉が3~7裂片になることからこの名がある。熊本市水前寺(すいぜんじ)で古くから野菜として栽培されるスイゼンジナも同じ仲間である。ビロードサンシチG. aurantiaca DC.はジャワ島原産の直立種で、卵形のやや多肉葉には紫色の細毛が密生し、ビロード状の光沢がある。ツルビロードサンシチG. hybrid cv. 'Purple Passion'は交雑種で、茎はつる性、葉は切れ込みの深い披針(ひしん)形で紫紅色のビロード状光沢があり、裏面は赤紫色となる。吊(つ)り鉢、行灯(あんどん)作りに向く。花は黄色で美しいが、悪臭があるので早く除去する。挿木で殖やす。

[高林成年 2022年2月18日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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