キングコング

精選版 日本国語大辞典 「キングコング」の意味・読み・例文・類語

キング‐コング

(原題King Kong) アメリカ映画。一九三三年作。また、その主人公の巨大なゴリラの名。キングコングニューヨークに連れてこられたという設定で、特殊撮影技術を駆使し、のちの怪獣映画影響を与えた。

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デジタル大辞泉 「キングコング」の意味・読み・例文・類語

キング‐コング(King Kong)

米国映画「キングコング」に登場する巨大なゴリラ。最初作品公開は1933年。

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改訂新版 世界大百科事典 「キングコング」の意味・わかりやすい解説

キング・コング
King Kong

アメリカ映画。1933年製作。モンスター映画の古典。猛獣映画の製作者が,有史前の世界が現存すると伝えられる孤島へ,現地ロケに乗りこみ,主演女優を巨大なゴリラのキング・コングにさらわれる。恋人の機関士の決死追跡によって女優は救出され,彼女を追って再び海岸に現れたコングはガス弾に倒れ,マンハッタンへ運ばれて見世物となる。鎖を引きちぎって街へ暴れ出たコングは,女優をさらってエンパイアステート・ビルへ登りつめ,戦闘機の機銃掃射を浴びてしだいに力つき,女優を頂上に残して墜落する。世界的な大ヒットによって,赤字RKO映画を立ち直らせたこの作品は,製作,監督のメリアン・C.クーパーとアーネスト・B.シェードサックの名以上に,コングをはじめとする恐竜たちのモデル・アニメーションに腕をふるった特撮マン,ウィリス・H.オブライエン(1886-1962)の名を高からしめた。アニメ人形(頭部の実物大模型も一部併用)のコングの,凶暴さと愛敬とがミックスされた絶妙のキャラクターは,今なお人々に愛され,〈美女と野獣〉のパターン,襲われた都会のパニック描写,モンスターの最後の哀感の表現などが,その後,無数のモンスター映画に模倣された。なお,カラー・ワイドによるリメーク版《キング・コング》(1976)は,特撮のほとんどを,ぬいぐるみで処理した凡作だった。
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デジタル大辞泉プラス 「キングコング」の解説

キングコング〔東宝映画〕

東宝特撮映画に登場する巨大猿。初登場作品『キングコング対ゴジラ』(1962)での身長は45メートル。ソロモン群島ファロ島に生息し、原住民からは「巨大なる魔神」と呼ばれていた。

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世界大百科事典(旧版)内のキングコングの言及

【SF映画】より

…こうして,SF映画はひとまずハリウッドのB級映画のジャンルの一つとなる。 そうした中で,特筆すべきは,怪奇映画の古典的名作となった《キング・コング》(1933)の誕生である。絶海の孤島の奥に,前世紀そのままの世界があるという,A.C.ドイルの《失われた世界》的な設定によるこの映画は,そもそもは,A.B.シュドサックと共同監督したM.C.クーパーの〈ゴリラと大トカゲを闘わせる〉という,〈やらせ〉記録映画の企画から生まれた。…

【狼男】より

…スウェーデン大司教オラウス・マグヌスOlaus Magnusは,16世紀中葉,プロイセン,リウラント,リトアニア一帯に跋扈(ばつこ)した,これと同種の狼に変身する男たちから住民が受ける損害を,〈自然の狼からこうむる損害より重大である〉と記録している。 近代文学における狼男変身のテーマやイメージは人間のなかにひそむ獣性もしくは劣性の分身の先祖返り的発現として,R.L.スティーブンソンの《ジキル博士とハイド氏》(1886)やB.ストーカーの《吸血鬼ドラキュラ》(1897)などに造形され,《キング・コング》(M.C.クーパー,A.B.シェードザック監督,1933)のような大衆映画の源泉ともなっている。【種村 季弘】。…

【特撮】より

…しかしこの方法は30年代に,トーキー化によってスタジオ内での撮影が絶対条件となったことと,シャッターを同期させる間欠輸動装置などの進歩によって実用化し,さらにクリアーなフロント・プロジェクション(背面からではなく,前面から通常の反射式スクリーンに映写する)にひきつがれて現在に至る。 科学的な光学合成装置,いわゆるオプティカル・プリンターも,プロジェクターの回転が正確になった30年代に徐々に完成したのだが,33年には,開発途上のオプティカル・プリンターや,ミニチュア,リア・プロジェクションなど,当時のあらゆる方法を組み合わせて用いた歴史的な特撮映画《キング・コング》が作られた。現実にはありえないほど巨大な(または矮少な)キャラクターが登場する作品の好例で,ミニチュアのモデルに,ストップモーション撮影で動きを与えるという,モデル・アニメーション特撮(これはオブジェクト・アニメ,ディメンショナル・アニメなどとも呼ばれ,今なお用語が不統一である)の創始者,ウィリス・H.オブライエンの代表作でもある。…

【ラウレンティス】より

… しかし,イタリア映画産業の危機が深刻化すると,〈ディノチッタ〉を閉鎖処分にして73年にアメリカに移り,そこでメジャー各社と対等の立場の独立製作者として活動を始める。〈映画はスターではなくストーリーである〉を持論とし,マイケル・ウイナーMichael Winner(1936‐ )監督,チャールズ・ブロンソン主演の《シンジケート》(1973),《狼よさらば》(1974),シドニー・ルメットSidney Lumet(1924‐ )監督,アル・パチーノ主演の《セルピコ》(1973),シドニー・ポラックSydney Pollack(1934‐ )監督,ロバート・レッドフォード主演の《コンドル》(1975),さらに1933年につくられたモンスター映画の古典のリメークであるジョン・ギラーミン監督《キング・コング》(1976)を製作し,アメリカにおける独立製作者としての確固たる地位を築いた。《キング・コング》は興行的には失敗したが,すでに公開前に配給権を前売りして製作費の大部分を回収,その〈手腕〉が業界の伝説的な評判になった。…

※「キングコング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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