キンギョ(金魚)(読み)キンギョ

百科事典マイペディア 「キンギョ(金魚)」の意味・わかりやすい解説

キンギョ(金魚)【キンギョ】

フナを観賞用に改良した飼育品種。原産地は中国。晋代に赤いフナが発見されたのが最初で,宋代から飼育され始めたといわれる。日本には室町時代に明から輸入されたのが始まり。交雑や突然変異の結果,多くの品種ができた。おもな特徴は,体色は赤や黄だいだいを基色とすること,鰭の形や長さが変化に富むこと,脊椎骨が前後に萎縮(いしゅく)して体形が変わっているものや頭部肉瘤(にくりゅう)をもつものがあることなどである。孵化(ふか)直後は無色で,成長とともにメラニン色素が増加して青黒色となり,さらにこれが退色して成体に近い色となる。有名な品種はリュウキンデメキン(出目金),ランチュウシュブンキンテツギョ(鉄魚),オランダシシガシラワキン(和金),キャリコ,チョウテンガン(頂天眼)など20余種ほど。観賞魚として最も一般的である。キンギョ養殖は,大和郡山市,愛知県弥富市,東京都江戸川等が著名。欧米に輸出もしている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンギョ(金魚)」の意味・わかりやすい解説

キンギョ(金魚)
キンギョ
Carassius auratus auratus; goldfish

コイ目コイ科の淡水魚。フナ(→フナ属)を原種とし,その変種をさらに飼育観賞用に改良してつくりだされた。中国では古く 1000年以前に飼育されていた記録があり,日本には 1500年代初頭に渡来したと考えられている。キンギョの基本形とされるワキン,尾鰭が分岐し各鰭ともよく伸長したリュウキン,背鰭を欠くランチュウ,頭部に肉瘤をもつシシガシラ,眼の突き出たデメキンなどをはじめ,これらの間の交配種や色変わりもあり,その品種はきわめて多い。

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