キンカジュー(英語表記)kinkajou
Potos flavus

デジタル大辞泉 「キンカジュー」の意味・読み・例文・類語

キンカジュー(kinkajou)

アライグマ科の哺乳類樹上で暮らし、体長約50センチ。尾が長く、枝などに巻きつけることができる。毛は柔らかで、褐色夜行性果実主食とする。中南米森林分布

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精選版 日本国語大辞典 「キンカジュー」の意味・読み・例文・類語

キンカジュー

〘名〙 (kinkajou) アライグマ科の哺乳類。体長四〇~五〇センチメートル、尾長は体長にほぼ同じ。尾は長く太い円筒状で、枝に巻きつくことができる。頭は丸く吻(ふん)は短い。体色は全体にくすんだ橙色や褐色。中南米の森林に分布する。樹上生活をし、夜行性で、小鳥や卵、果実などを食べる。

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改訂新版 世界大百科事典 「キンカジュー」の意味・わかりやすい解説

キンカジュー
kinkajou
Potos flavus

巻きつく長い尾をもつ食肉目アライグマ科の哺乳類。メキシコ南部からブラジルまでの森林にすみ,各地でjupara,jupura,potto,mico de nocheなどと呼ばれる。体長42~58cm,尾長40~56cm,体重1.4~2.7kg。吻(ふん)が短く目が離れていて頭が丸く,耳介が小さい。胴は長くがんじょうで四肢が短い。蹠行しよこう)性で指は前・後足とも5本,鋭いかぎづめをもつ。尾は先へしだいに細まり,枝を巻くことができる。毛は短く羊毛状で黄褐色~赤褐色,吻は暗褐色黒色昼間樹洞に潜んで,夜,1匹か小群で樹冠部を渡り歩くが,ときに果樹に十数匹集まることがある。鳥や卵も食べるが,イチジク,バナナなどの果実,花みつ,蜂みつを好み,舌が長く12cmもある。食事中に1.6kmも届く金切声で盛んに鳴く。春~夏に1子,まれに2子を生む。妊娠期間112~118日。寿命は飼育下で23年余。よくなれ,honey bearの名でペットとして売られる。中央アメリカと南アメリカ北部のオリンゴ(フサオオリンゴBassaricyon gabbii,アレンオリンゴB.alleni)(英名olingo)はほぼ同大で本種に似るが,吻が灰色でとがり,尾がやや扁平で巻きつかず,その上面に多数の暗色横帯がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キンカジュー」の意味・わかりやすい解説

キンカジュー
きんかじゅー
kinkajou
[学] Potos flavus

哺乳(ほにゅう)綱食肉目アライグマ科の動物。メキシコ南部からペルー、ブラジルにかけて分布する。頭胴長42~58センチメートル、尾長40~56センチメートル。頭は丸く、耳は小さい。前肢より後肢が長い。尾は長く、クモザルのように物に巻き付け、体を支えられる。毛は短く柔らかで、密生する。体は褐色で、個体により濃淡がある。森林の樹上にすみ、夜間活動し、数頭が行動をともにすることもある。主食は果実で、昆虫、卵のほか、蜂蜜(はちみつ)も食べ、長い舌が採食に役だつ。妊娠期間は4か月弱で、1頭まれに2頭の子を樹洞内で出産する。動物園で飼育されることも多く、23年間の長期飼育例がある。名は、ブラジル地方での呼び名に由来する。

[祖谷勝紀]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キンカジュー」の意味・わかりやすい解説

キンカジュー
Potos flavus; kinkajou

食肉目アライグマ科。体長,尾長とも 50cm内外。体は全体が黄褐色で,鼻が黒みがかる。頭は丸く,耳のつけ根は左右に広く離れている。雑食性であるが果実を特に好み,それを食べるに適した長い舌をもっている。また,長い尾で物に巻きつくことができる。夜行性。ほとんど樹上で生活し,昼間は樹洞などにひそむ。行動は比較的緩慢。人間に馴れるのでハニーベアなどの名でペットとして売られている。中央アメリカ,メキシコ,ブラジルなどに分布する。

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