キャン(英語表記)kiang
Equus hemionus kiang

改訂新版 世界大百科事典 「キャン」の意味・わかりやすい解説

キャン
kiang
Equus hemionus kiang

奇蹄目ウマ科の哺乳類。別名チベットノロバチベット高地にすむアジアノロバの1亜種。アジアノロバの5亜種中もっとも体が大きく,肩高1.5m,体重350~400kgに達する。たてがみから尾まで続く正中線黒色すじにそう明色の帯模様が,他の亜種に比べてはっきりしないのが特徴である。かつてはネパールシッキムなどにも分布したが,他のアジアノロバ同様個体数は著しく減少しており,中国の専門家によるとただちに絶滅することはないとされるが,国際自然保護連合は絶滅の恐れがある動物の一つに指定している。生息状況の詳細は知られていない。世界各地の動物園に17頭が飼われている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キャン」の意味・わかりやすい解説

キャン
Equus kiang; kiang

奇蹄目ウマ科。チベットノロバともいわれる野生のロバ。体高約 1.2m。近縁の種にクーラン,オナガー E. onagerなどが知られる。生息数はきわめて少く,国際保護動物に指定されている。モンゴル,チベット,シッキム,ネパールなどに分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のキャンの言及

【ロバ(驢馬)】より

…尾には先半分にのみ長い毛がはえる。肩高0.9~1.5m,体重は350kgを超えるキャンを除いて260kg前後。体色は淡黄色ないし淡灰色から赤褐色,たてがみと尾の毛は黒褐色。…

※「キャン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android