キム(英語表記)Kim, Roman Nikolaevich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キム」の意味・わかりやすい解説

キム
Kim, Roman Nikolaevich

[生]1899.8.1. ウラジオストク
[没]1967. モスクワ
ソビエト連邦の小説家。父は朝鮮の亡命政治家。幼年時代を日本で過ごし,慶應義塾普通部に学んだ。 1917年帰国し,ウラジオストク大学を卒業。 1923年から文学活動を始め,主として実話に取材した政治的な推理小説を書いた。代表作は,中編『春川で発見された手帳』 Tetrad',naidennaya v Sunchone (1951) ,『広島の娘』 Devushka iz Khirosima (1954) ,『特務機関』 Agent osobogo naznacheniya (1962) ,『枕の下のコブラ』 Kobra pod podushkoi (1962) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キム」の意味・わかりやすい解説

キム
きむ
Роман Николаевич Ким/Roman Nikolaevich Kim
(1898―1968)

ソ連作家。朝鮮の亡命政治家の子としてウラジオストクに生まれ、日本へ留学。慶応義塾普通部2年まで在日。革命の年(1917)に帰国、極東大学を終え、日本語・日本文学を教え、スペイン内戦および第二次世界大戦に参加。戦後『広島の娘』(1954)で文壇にデビュー。その後『読後焼却のこと』『特務機関』『枕(まくら)の下のコブラ』(ともに1962)などスパイ小説を書いた。芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)など日本文学の翻訳もある。

木村 浩]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「キム」の解説

キム

女子体操競技の技の名。床競技の技(後方抱え込み2回宙返り)、段違い平行棒の技(開脚背面飛びでバーを飛び越えずに切り返して開脚前方宙返り両逆手握り懸垂)、跳馬の技(ツカハラ跳び1回ひねり)がある。名称はいずれも、モントリオールオリンピック(1976年)団体総合などで金メダルを獲得した旧ソ連の体操選手、ネリー・キムから。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android