キプロス型銅鉱床(読み)キプロスがたどうこうしょう(英語表記)Cyprus-type copper deposit

改訂新版 世界大百科事典 「キプロス型銅鉱床」の意味・わかりやすい解説

キプロス型銅鉱床 (キプロスがたどうこうしょう)
Cyprus-type copper deposit

オフィオライトの一部である玄武岩溶岩中に,レンズ状~塊状をなして産する含銅硫化鉄鉱床キプロス島に典型的な例が知られているのでこの名がある。黄鉄鉱主体とし,硫化鉄資源としても利用される。トルコカナダニューファンドランド島などにも産出が知られているが,いずれも低品位(銅1~2%)で鉱床の規模も小さいので,銅資源としての重要度は低い。日本には典型的な例は知られていないが,キースラーガー鉱床の一部をこの型に含める研究者もいる。成因は,海嶺あるいは縁海の玄武岩質火山活動に伴う海底の噴気熱水活動の生成物とされている。なお,キプロス島での銅の発見は前3000年ころといわれ,同島は当時の唯一の銅の生産地であった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android