旺文社世界史事典 三訂版 「キプチャク−ハン国」の解説
キプチャク−ハン国
キプチャク−ハンこく
Kipchak Khan
欽察汗国・金張汗国
モンゴル帝国の四ハン国の1つ
チンギス=ハンの孫バトゥが欧州遠征後,サライを都として南ロシアのキプチャク草原に建国。14世紀前半のウズベク・ジャニベク両ハン時代が全盛期で,領土はイルチシ川からクリミアにおよんだ。元朝と友好を保ち,はやくからイスラーム化し,東西貿易で活躍して繁栄したが,ティムールのために1396年サライを攻略されて衰え,分裂を始めた。1480年支配下のモスクワ大公イヴァン3世の独立によって統一は失われ,また分離したガザン−ハン国・アストラハン−ハン国・クリム−ハン国も,16〜18世紀にロシアに滅ぼされた。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報