キバネツノトンボ(読み)きばねつのとんぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キバネツノトンボ」の意味・わかりやすい解説

キバネツノトンボ
きばねつのとんぼ / 黄翅角蜻蛉
[学] Ascalaphus ramburi

昆虫綱脈翅(みゃくし)目ツノトンボ科に属する昆虫。暗褐色後翅翅脈に沿って美しい黄色の帯や線をもつツノトンボ。体長20~25ミリメートル。はねの開張幅52ミリメートル内外で、雌はやや大形。体は黒色で、長い毛を密生する。触角チョウの触角とよく似ており、長くて先端がへら状に膨らむ。複眼は大きい。前翅は透明で、基部は黄色を帯びる。雄は尾端に1対の鉤(かぎ)状付属物をもつ。本州、九州に分布し、草原や乾いた河原などにみられる。幼虫は石の下などにいてほかの昆虫を捕食する。成虫は4~6月ごろに出現する。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のキバネツノトンボの言及

【ツノトンボ(長角蜻蛉)】より

…熱帯から温帯に広く分布し約300種が知られ,日本には4種が産し5月から9月にかけて草地や林縁部に発生する。キバネツノトンボAscalaphus ramburiのように,しばしば昼間活動し,かなりすばやく飛ぶ。飼育例では寿命は3ヵ月に達するという。…

※「キバネツノトンボ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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