キナ

精選版 日本国語大辞典 「キナ」の意味・読み・例文・類語

キナ

〘名〙 (kina) アカネ科のキナ属の総称。ボリビア、ペルーの山地に約四〇〇種が知られ、そのうち数種がかつてジャワ、スマトラ、インド、コロンビア、アフリカなどで、キニーネ製造のため広範囲に栽培された。幹は高さ二五メートル以上に達し、樹皮が赤い。葉は柄があり長さ五~一五センチメートルほどの広楕円形で対生し、裏面には密に軟毛を生じる。花は白色または帯紅紫色で、枝先に多数集まって円錐状になる。樹皮は「キナ皮」と呼ばれ、アルカロイドを含み、古くからインカでは熱病薬に用い、キニーネとして解熱・鎮痛・強壮剤とするほか、特にマラリアの特効薬とする。「規那」などの字をあてる。キナの木。〔植学啓原(1833)〕

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百科事典マイペディア 「キナ」の意味・わかりやすい解説

キナ

アカネ科キナノキ属の植物の総称。ボリビア,ペルー,エクアドルにわたるアンデス山中に自生し,40種以上ある。常緑の低木または高木。普通,キナノキ属数種の樹皮を総称してキナ(キナ皮)というが,日本薬局方ではアカキナノキを規定。苦味健胃強壮薬として用いるほか,キニーネの原料にする。
→関連項目シデナム生薬煎剤薬用植物

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世界大百科事典 第2版 「キナ」の意味・わかりやすい解説

キナ【quinine tree】

キナノキともいう。南アメリカのアンデス山脈に自生するアカネ科キナ属の薬用樹木で,約40種を含む植物群のうち,類似した数種が利用される。樹皮をキナ皮(英名Jesuit’s bark,cinchonae cortex)とよび,それから得られたキニーネは熱病,とくにマラリアの特効薬として知られている。古くからインカ人がその樹皮をキナ・キナquina‐quina(kina‐kina)と称して熱病に用いていた。

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デジタル大辞泉 「キナ」の意味・読み・例文・類語

キナ(kina)

パプアニューギニアの通貨単位。1キナは100トヤ。

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