キヅタ(木蔦)(読み)キヅタ(英語表記)Hedera rhombea; Japanese ivy

百科事典マイペディア 「キヅタ(木蔦)」の意味・わかりやすい解説

キヅタ(木蔦)【キヅタ】

一名フユヅタ。北海道南部〜沖縄,朝鮮の低地にはえるウコギ科の常緑つる性木本(もくほん)。茎は気根を出して木や岩によじのぼり,卵円形〜ひし形状卵形で革質の葉を互生する。壁面石垣等にはわせ,庭木,鉢植にされる。斑入(ふいり)葉の園芸品種もある。欧州〜北アフリカ原産のセイヨウキヅタイングリッシュアイビー)も観賞に使われ,80以上の園芸品種があるが,一般には斑入葉のニシキヅタが多い。両種とも10月ごろ淡黄緑色の花をつけ,果実は球形翌年5月ごろ黒熟する。さし木や取り木で繁殖しやすい。
→関連項目ツタ(蔦)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キヅタ(木蔦)」の意味・わかりやすい解説

キヅタ(木蔦)
キヅタ
Hedera rhombea; Japanese ivy

ウコギ科の常緑つる性低木で,東アジアの温帯に広く分布し,山野に生える。岩やほかの木の樹幹にからみつき,枝を多く出して生長する。古木になるとかなり太い幹になり多数の気根を伸ばして,岩や木の表面にしっかりと付着する。葉は厚くて硬く,濃緑色で,表面には光沢があり,長い葉柄で互生する。斑 (ふ) 入りの品種もあり,観葉植物として広く栽培されている。秋から冬にかけて,小枝の先端に多数の花が球状に集って咲く。花弁は5枚で黄褐色であるが,萼は不明瞭。おしべは5本。果実は球形で翌年になって熟する。ブドウ科のツタよりも木質化が著しいためキヅタと呼ばれ,また冬でも落葉しないのでフユヅタともいわれる。

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