ガルデール(英語表記)Carlos Gardel

改訂新版 世界大百科事典 「ガルデール」の意味・わかりやすい解説

ガルデール
Carlos Gardel
生没年:1890?-1935

アルゼンチンタンゴ歌手,作曲家。フランストゥールーズで生まれ,2歳のとき母につれられてブエノス・アイレスに移ったとされるが,出生については異説がある。1912年ごろから民謡歌手として評判になり,17年にタンゴ《わが悲しみの夜》を歌ってセンセーションを起こした。これはそれまで軽快なダンス音楽にすぎなかったタンゴを一変させたほどの,深い哀愁をたたえた名唱だったが,以後ガルデールは人生のドラマを感じさせる数々のタンゴを歌い,2000曲以上のレコード録音,8本の映画に出演してアルゼンチン最大のスターとなった。ハリウッド映画にも出るなど人気が国際的に広がりだした矢先,コロンビアでの飛行機事故で急死した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ガルデール」の意味・わかりやすい解説

ガルデール

アルゼンチン・タンゴの歌手。1917年ヒット作《わが悲しみの夜》をきっかけに国民的スター。アルゼンチン・タンゴ史上に一時代を築いたほか,映画にも出演。飛行機事故死。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のガルデールの言及

【タンゴ】より

… タンゴはブエノス・アイレス南東部,ラ・プラタ川沿いの風紀の悪い場末町に生まれ,当時は下層社会の音楽として上中流社会から蔑視されたが,それ自体の音楽的向上に加え,1910‐20年代にパリでおおいに認められ流行したことなどから,全市民的な音楽としての地歩を築くようになった。1917年に《わが悲しみの夜》を歌って以来アルゼンチンのアイドル歌手となったカルロス・ガルデールにより,水準の高い歌謡としてのタンゴが普及したことも見落とせない。楽団演奏はバイオリン,バンドネオン(それぞれ2~6),ピアノ,コントラバスの編成(これを標準楽団の意味で〈オルケスタ・ティピカorquesta típica〉という)が定型化し,20年代までに《ラ・クンパルシータ》(マトス・ロドリゲスGerardo Hernán Matos Rodríguez作曲。…

※「ガルデール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android