ガリマール(読み)がりまーる(英語表記)Gallimard

精選版 日本国語大辞典 「ガリマール」の意味・読み・例文・類語

ガリマール

(Gaston Gallimard ガストン━) フランスの出版業者。一九〇八年にアンドレ=ジッドとともに文芸雑誌「NRF」を刊行。一九年にガリマール社を設立し、フランスの近代作家たちの作品を出版した。(一八八一‐一九七五

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ガリマール」の意味・読み・例文・類語

ガリマール(Gaston Gallimard)

[1881~1975]フランスの出版業者。1908年にジードとともに文芸雑誌「NRF」を刊行。1919年にガリマール社を設立し、フランスの近代作家たちの作品を出版した。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガリマール」の意味・わかりやすい解説

ガリマール
がりまーる
Gallimard

20世紀フランス文学の代表的出版社。創立者ガストン・ガリマールGaston Gallimard(1881―1975)は、1908年アンドレ・ジッドとともに文学雑誌『NRF(エヌエルエフ)』を創刊したが、雑誌主体の出版に飽き足らず、1919年ガリマール社Librairie Gallimard(1961年にEditions Gallimardと改称)をおこした。ジッドのほか、プルーストサルトルカミュボーボアール、サン・テグジュペリ、モディアノ、ル・クレジオらの著作を出版。世界文学叢書(そうしょ)「プレイアード」(1933創刊)や2500点に達する推理小説叢書「セリ・ノアール」(1945創刊)でも知られる。1971年、配本関係で32年間の提携を保ってきたアシェットと手を切り、独自の配本会社CDEソディスを創設。フォリオ叢書などポケット本や児童文芸書にも力を注いだ。出版社の経営は息子のクロード、孫のクリスチャンへと受け継がれ、1990年には外部の投資家の参与によって同族経営の危機が訪れたが、最終的には編集権の自由を守り抜いた。

[矢野浩三郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ガリマール」の意味・わかりやすい解説

ガリマール
Gaston Gallimard
生没年:1881-1965

フランスの大出版社の創業者。ジッド,シュランベルジェ等による文芸総合雑誌《NRF(エヌエルエフ)》の発行所として,エディシオン・ド・ラ・ヌーベル・ルビュ・フランセーズを1911年に創立する。以後,同誌の刊行と同誌による文人たちの著作の単行本,選集,全集の出版に専心する。こうして,ゲオン,ラルボーマルタン・デュ・ガール,バレリークローデルリビエール,ロマン等の文人の作品が脚光を浴びることになる。これらの文人たちの名声の獲得,《NRF》誌の影響力の増大浸透につれて,版元声価も年々歳々高まってゆく。19年にはリブレーリー・ガリマールと社名を変更。プルースト,モランモンテルラン,マルロー,アラゴンエリュアール等の作品を刊行し,外国文学の翻訳紹介にも意を用いることによって,ガリマール社の影響はフランス国内のみならず,世界的規模でひろがってゆく。さらに第2次大戦前後からサルトルやカミュ等の版元にもなることによって,フランスの代表的出版社としての威信はゆるぎないものになった。20世紀フランスの新思想,新文学の展開はガリマール社の存在なしでは考えられないといっても過言ではないが,それもひとえに,創業者ガストン・ガリマールの進取の気性,特定のイデオロギーにとらわれない偏見のない精神が,企業家としての非凡な実践力のうちに生かされたからにほかならない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

367日誕生日大事典 「ガリマール」の解説

ガリマール

生年月日:1881年1月16日
フランスの大出版社の創業者
1975年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android