ガリア戦争(読み)ガリアせんそう(英語表記)Gallic War

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガリア戦争」の意味・わかりやすい解説

ガリア戦争
ガリアせんそう
Gallic War

前 58~51年ユリウス・カエサルのもとで行われたローマのガリア征服戦争。きっかけはガリア諸族が内争への介入をカエサルに求めたものといわれている。カエサルは前 58年末にガリア北東部に冬営地を獲得。前 56年までには現在の北フランス,ベルギー地方を平定,大西洋岸にまで達した。以後ガリア全土の治安に努め,作戦上の必要からゲルマニア,ブリタニアにも遠征。前 54年からは反乱がしばしば起り,前 52年ウェルキンゲトリクスの率いた大規模な反乱となる。激しい戦闘が繰返され,一時はカエサルも危機に追込まれたが,アレシアの戦いに勝ってウェルキンゲトリクスを捕え,以後反乱は下火となった。この戦争はガリア全土のローマ領化と平和をもたらし,比較的人員の損失も少く,多くの富を獲得したカエサルの政治力を強大化することとなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のガリア戦争の言及

【カエサル】より

…またカルプルニアを妻とし,娘ユリアをポンペイウスにめあわせている。
[ガリア戦争]
 前58年からガリアの地方長官として前50年まで在任して,ガリア戦争を遂行し,ガリア全土をほぼ平定した。まず前58年には,ヘルウェティイ族を討ち,さらにゲルマン人のアリオウィストゥスを破った。…

※「ガリア戦争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android