ガブリエリ(Andrea Gabrieli)(読み)がぶりえり(英語表記)Andrea Gabrieli

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ガブリエリ(Andrea Gabrieli)
がぶりえり
Andrea Gabrieli
(1510ころ―1586)

16世紀イタリア、ベネチア楽派の作曲家。ベネチアのカナレジョ地区に生まれたため、アンドレア・ダ・カナレジョともよばれた。サン・マルコ大聖堂聖歌隊歌手として修業後ベローナで活躍したが、ふたたびベネチアに戻り、1585年にはサン・マルコ大聖堂の第一オルガニストとなったが、翌年末ベネチアで没している。死後、甥(おい)のジョバンニによって出版された『コンチェルト集』(1587)は重要であり、そのなかの四重合唱のためのミサ曲は、天正(てんしょう)遣欧使節歓迎のために作曲されたと推定されている。甥のジョバンニ、ドイツ人のハンス・レオ・ハスラーを教育した功績も忘れられない。

樋口隆一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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