ガダルカナル作戦(読み)ガダルカナルさくせん

改訂新版 世界大百科事典 「ガダルカナル作戦」の意味・わかりやすい解説

ガダルカナル作戦 (ガダルカナルさくせん)

太平洋戦争で日米双方とも当時として最大限の陸海戦力を投入した作戦。戦争初期の日本軍の攻勢が,この作戦の結果,防勢に追い込まれたという大きな意味をもつ。1942年8月7日から翌年2月7日まで行われた。ガダルカナル島は日本本土から5000km離れた南西太平洋ソロモン諸島の南端にある。最初日本海軍が小部隊でアメリカとオーストラリアの連絡線を遮断するため,まず滑走路を作った。アメリカ軍はラバウル奪回するための第一歩として,海兵1個師団を奇襲上陸させて飛行場を奪取した。日本軍は一木支隊,川口支隊,第2師団,第38師団を逐次上陸させて,飛行場の奪回をはかったが,主力戦闘機が同島上空に15分しか滞空できないため,制空権が終始アメリカ軍の手中にあり,補給が途絶し悲惨な戦況になった。日本軍は上陸総兵力約3万1400人に対して,餓死者を含む戦死傷者を約2万1000人出して撤収。アメリカ軍はアメリカル,第25の2歩兵師団,第1・第2海兵師団計約5万人が上陸した。
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世界大百科事典(旧版)内のガダルカナル作戦の言及

【太平洋戦争】より

…一方,連合艦隊は5月7~8日の珊瑚海海戦では優勢勝ちを収めたが,6月5日のミッドウェー海戦で4隻の主力空母を撃沈され,太平洋正面の制海権と制空権を失った。(2)1942年8月~43年2月(連合国軍の反撃と日本軍の戦略的持久の時期) 8月7日連合国軍がガダルカナル島へ上陸し,以後約半年にわたり同島を含むソロモン諸島周辺で陸海空の大消耗戦が展開された(ガダルカナル作戦,第1~3次ソロモン海海戦,南太平洋海戦など)。国内の生産が消耗に追いつかず,制空権を奪われた日本軍は補給に苦しみ,多大の兵員と艦船および航空機を失い,43年2月7日ガダルカナル島を放棄した。…

※「ガダルカナル作戦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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