ガイアナ(英語表記)Guyana

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精選版 日本国語大辞典 「ガイアナ」の意味・読み・例文・類語

ガイアナ

(Guyana) 南アメリカ大陸の北部、大西洋に面する協同共和国。もとイギリス領ギアナ。首都ジョージタウン。一九六六年イギリス連邦内の自治国として独立。米、砂糖、ボーキサイトなどを産する。

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改訂新版 世界大百科事典 「ガイアナ」の意味・わかりやすい解説

ガイアナ
Guyana

基本情報
正式名称ガイアナ協同共和国Co-operative Republic of Guyana 
面積=21万4969km2 
人口(2010)=78万人 
首都=ジョージタウンGeorgetown(日本との時差=-12時間) 
主要言語=英語 
通貨=ガイアナ・ドルGuyana Dollar

南アメリカ大陸の北東部に位置し,西をベネズエラ,南をブラジル,東をスリナムに接する新興独立国。イギリス連邦の一員。旧称は英領ギアナで,ガイアナはその英語読みによる。亜熱帯性気候で多雨のため,原住民のことばで〈ギアナ(湿った所)〉の名がつけられた。スリナム(旧オランダ領ギアナ),フランス領ギアナを合わせたギアナ3国中,面積は最大である。

国土は南北に延びる長方形をなしており,最も奥地の南部および南西部は標高2810mのロライマ山をはじめとする山地に囲まれている。数多くの河川がここより北の海岸に向かって流れ,中央部を貫くエセキボ川の支流ポタロ川にかかるカイエトゥール滝(高さ226m,幅105m)など,各所に急流が多い。内陸部は南東部の台地を除くと熱帯林でおおわれ,森林は国土の85%を占めている。大西洋岸には狭い海岸低地が発達する。ここは大部分が運河や堰堤によって人工的に確保されたものである。

 人口の90%はこの海岸低地に集中し,内陸および奥地には少数のインディオ(約4%)が居住するのみである。住民はインド人50%,黒人35%,混血7%などからなり,宗教はキリスト教のほかに,ヒンドゥー教やイスラムなど。英語(公用語)以外の言語も使われ,複雑な社会を形成する。

17世紀に始まるオランダ支配から18世紀末にイギリスの支配に移ったことを反映して,オランダ領時代の複雑な政治制度が受け継がれていたが,1928年以後は完全にイギリス式の直轄植民地制度が導入された。53年普通選挙,二院制国会,内閣制度を含む新憲法が導入され,自治権が拡大し,57年には臨時政府が成立,66年に独立を確保した。70年には憲法が改正され,共和国となった。国会は一院制の国民会議へと移行し,比例代表制によって選ばれた53名の議員と間接選挙によって選ばれた12名の議員(任期各5年)に対して首相以下15名の大臣が責任を負う政治体制をとっている。国家元首は任期5年の大統領であるが,80年制定の新憲法以前は行政権をもたなかった。1953年以来,インド・パキスタン系住民を基盤とする人民進歩党(PPP)と黒人系住民の利害を代表する人民全国会議(PNC)との間に激しい抗争が続いた。そのため人民全国会議の議員の選出には,その安定策として比例代表制による選挙方式が導入されたのである。

人口の集中する海岸沿いの低地のみが開発の進んだ地域で,内陸部は若干の鉱業および林業のための作業場を除けば,まったくの未開拓地である。18世紀初頭にオランダ人がエセキボ川とバービス川にはさまれた海岸低地に堤防を築き,幅約5~10kmのサトウキビ農園をつくった。アフリカからの黒人奴隷がおもな労働力であった。1834年の奴隷解放後もインド人労働者を導入し,サトウキビ栽培が続けられているが,アジア系住民の主食である米の栽培も始められ,現在でもカリブ海諸国向けの主要な輸出農産物となっている。

 19世紀ヨーロッパにおけるテンサイ糖業の発展や米西戦争の結果,砂糖の国際需要にかげりが生じて砂糖耕地や精糖工場の縮小および合理化が行われた。精糖会社ブーカー社による寡占が進み,さらに工業,海運,保険などをも掌握するにいたった。この伝統的な砂糖産業に加えて,デメララ川沿いのマッケンジーでボーキサイトが採掘され,世界有数の産出量を誇り,アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国に輸出されている。

1834年の奴隷廃止後の労働力の担い手として1917年までに約25万人のインド人移民が同国に導入され,減退しかかった砂糖生産を回復させた。インド・パキスタン系移民は契約期間を終えるとプランテーションを離れて,商工業や知的職業に転出するものが多かった。政党活動も黒人系住民にさきがけ,1950年にインド系の歯科医チェディ・ジェーガンがアメリカ人夫人とともに人民進歩党を結成した。同党は完全独立と砂糖工業の国有化などを目指した社会主義政治の実現を目標にかかげ,53年,57年および61年の3回にわたり政権を握った。1953年10月イギリスはガイアナの社会主義化を恐れて4隻の軍艦と1600名の兵士を派遣し,ガイアナ憲法を停止させた。

 ガイアナ民衆の独立運動は最高潮に達したが,55年に黒人系弁護士フォーブスバーナムが新たに人民全国会議を結成すると新旧2政党間に微妙な対立関係が生じた。民族独立運動の内部分裂は最初,人民進歩党の急進主義と人民全国会議の穏健主義の政策的な相違であるかにみえたが,すぐに人種的抗争と化し,62年には黒人の反乱が起こり,ジョージタウン市の焼打ちを皮切りに全国的な暴動に発展した。政治的に後発の黒人系政党人民全国会議は,選挙法が人民進歩党に不当に有利だと主張してイギリス政府に比例代表制による総選挙の実施を要求した。これを阻止するためにジェーガン派の対黒人テロが続発するなかで64年12月に選挙が行われ,バーナムの率いる人民全国会議が政権を掌握した。バーナムは白人の利益を代弁する統一勢力UFPと連立で政府を組織し,66年5月イギリス連邦内の自治領として独立した。両党間の抗争は76年にジェーガン人民進歩党総裁が現政府の基本政策支持を表明することで和解が成立したが,人種抗争は未解決のままである。

 バーナム政権はボーキサイト,砂糖の国家管理政策を進め,また主要な企業を国有公社の管理下においた。80年,バーナムは行政権をもつ初の大統領に就任し,終身執権体制をとった。協同組合制度を基礎とする社会主義政策を志向し,国名に〈協同共和国〉が付加された。対外的にはキューバ,北朝鮮など社会主義ブロックとの関係を強化し,隣国ベネズエラとはエセキボ地方の領有問題で対立していたため,米州機構への加盟は91年まで見送られた。85年にバーナム大統領が急死してホイト首相兼副大統領が大統領に昇格し,同年12月の選挙で再選された。ホイトは経済的に破綻したバーナム政権期の社会主義路線を修正し,国際金融機関の指導の下に構造改革と西欧先進国との関係改善をはかった。90年以降は好転した経済が一時急激なインフレを招き,労働者の実質的収入を目減りさせ,大衆は長期にわたる人民全国会議政治から離反し始めた。92年の選挙でジェーガン率いる人民進歩党が28年ぶりに政権に返り咲いたが,前政府の基本路線を踏襲したため高い経済成長を続けている。97年,ジェーガンの死去によりハインズ首相が98年予定の総選挙まで大統領に昇格した。南米諸国のなかでは唯一,英語圏で構成されるカリブ共同体(CARICOM)に属している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガイアナ」の意味・わかりやすい解説

ガイアナ
がいあな
Guyana

南アメリカ北部の国。正称はガイアナ協同共和国The Co-operative Republic of Guyanaで、共同組合制度を基礎とする特異な社会主義を目ざしてきた。西はベネズエラ、南はブラジル、東はスリナムに接し、北東は大西洋に面する。旧称イギリス領ギアナ。面積21万5000平方キロメートル、人口76万(2000推計)、74万6955(2012センサス)。人口密度は1平方キロメートル当り3人(2019推計)。首都はジョージタウン。国名は先住民の言語で「水郷(水のある土地)」という意味である。

[山本正三]

自然

国土の70%は標高200メートル以下の準平原と狭い海岸平野からなる。西の国境に沿ってパカライマ山脈、南の国境にはアカライ山脈が走るが、山地の大部分は500メートル以下の丘陵で形成される。中央部を南から北に貫流するエセキボ川の本支流の流域が国土の大部分を占める。北西部にはバリマ川、東部にはバービス川が流れ、スリナムとの国境をコーランタイン川が分けている。海岸は海面より低い湿地が多い。国土の85%は森林に覆われ、内陸には部分的にサバナ地帯がみられる。年降水量は、海岸地方では2500ミリメートルに達し、雨期は5~8月と11月~1月の2回である。一方、南西部の内陸では1500ミリメートル前後と少なく、雨期も年1回(4~9月)である。気温は一年中高温で、首都ジョージタウンの年平均気温は26.7℃である。

[山本正三]

歴史・政治

1499年にスペイン人が来航したが、オランダの植民地建設(1581)により、スペインはこの地を追われた(1596)。その後イギリスの買収によって、1831年イギリス領ギアナ植民地が誕生した。当初オランダはアフリカ黒人奴隷を導入したが、1838年から1917年にかけてイギリスがサトウキビ栽培のためにインド人や中国人を労働者として導入したため、これが現在の複雑な人種構成のもととなった。1891年行政院、1928年立法院が設けられ、徐々に内政の整備が進められた。

 第二次世界大戦後、1953年に自治政府が選出され、独立への第一歩を踏み出し、1966年5月イギリス連邦内の独立を獲得した。1968年人民民族会議(PNC)は、独立後初の総選挙に勝ち、単独政権を組織し、1970年2月憲法を改正して共和国を樹立した。新政権は民族的自立経済の達成を目標に社会主義政策を志向し、国名に「協同共和国」が付加された。1985年以後、社会主義重視路線から中道に転換し、先進諸国への接近を図った。人民進歩党を主体とする政権は市場経済を守り、1992年就任したインド系大統領チェディ・ジェーガンはアフリカ系人材を積極的に起用し、人種間の融和策を実施したが、1997年3月に死去、同年末に行われた大統領選挙ではチェディ・ジェーガンの夫人であるジャネット・ジェーガンJanet Jagan(1920―2009)が当選した。その後、1999年8月にジャネット・ジェーガンは健康上の理由で辞任、バラット・ジャグデオBharrat Jagdeo(1963― )が大統領に就任した。

[山本正三]

経済・産業

ガイアナの経済は主として農業、鉱業で支えられる。農業人口は6万5000人(20.6%、1994)を占めるにすぎないが、農業は依然として重要な産業である。主要産物はサトウキビと米である。海岸沿いの5~10キロメートル幅の低地は築堤により干拓され、大規模なプランテーションが行われている。サトウキビおよびその加工品は輸出総額の44.1%を占め、ほとんどはイギリス連邦諸国に輸出される。一方、米の生産量は34万トン(1994)である。米は主としてインド人小農民によって栽培されるが、生産性は低く、1戸当りの平均経営耕地面積も2ヘクタールに満たない。農産物ではそのほかココナッツ、オレンジ、バナナなども生産される。

 鉱産資源は、ボーキサイトがあり、その他少量ながら、金、ダイヤモンド、銅、マンガンなどを産する。ボーキサイトの産出量は1980年305万トンに達したが、1985年220万トン、1990年142万トンと激減し、1994年に209万3000トンにまで回復した。そのほか木材資源も開発の余地が大きい。

 輸出品は、砂糖、金、ボーキサイト、米の順で比率が高く、輸出総額は3億9100万ドル。輸入品は燃料などで輸入総額は4億0600万ドル(1995)で、1500万ドルの入超である。輸入先は、アメリカ、トリニダード・トバゴの順で多い。ラテンアメリカ諸国とは疎遠だが、ジャマイカ、バルバドス、トリニダード・トバゴとともにカリブ共同体、カリブ共同市場を結成している(1973年8月発足)。またキューバとの協力関係の強化を図っている。

 大西洋岸大陸棚はエビの好漁場で、これを中心に日本との交易が進んでいる。

[山本正三]

社会

人口の90%は首都ジョージタウンを中心とする海岸の狭い地帯(国土の5%足らず)に集中する。旧オランダ人の町で豊かな農業地帯の中心ニュー・アムステルダム、ボーキサイト鉱山の都市リンデムがおもな都市である。

 1人当りの国民総所得(GNI)は770ドル(2000)と低く、また非識字率も12%程度といわれている。人種構成は、東インド人(インド・パキスタン系)49%、アフリカ系36%、混血7%、先住民のインディオ7%などからなっている。人種は、職業および居住地域と密接な結び付きをもち、インド系と黒人系との人種対立が深刻である。東インド人はおもにサトウキビ・プランテーションと海岸の多雨地帯で働いており、アフリカ系住民は都市居住者が多い。先住民は内陸部の森林地帯に散在し、狩猟や原始的農業に従事している。宗教は、キリスト教(イングランド教会)信仰者がもっとも多く、全人口の57%を占め、ついでヒンドゥー教34%、イスラム教9%と続く。言語は、英語が公用語であるが、ヒンドゥー語、中国語、アフリカ系の言語も各人種によって用いられている。まさしく多人種、多宗教社会であり、このような複雑な人種構成を越えた社会的統一と文化の形成が、この国の大きな課題で、英語文化によりそれを成し遂げようとしている。

[山本正三]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガイアナ」の意味・わかりやすい解説

ガイアナ
Guyana

正式名称 ガイアナ協同共和国 The Cooperative Republic of Guyana。
面積 21万4999km2
人口 74万2700(2021推計)。
首都 ジョージタウン

南アメリカ北部にある国。西はベネズエラ,南西と南はブラジル,東はスリナムと国境を接し,北は大西洋に面する。地体構造的には先カンブリア時代の岩石からなるギアナ楯状地に属し,地形は西部国境のパカライマ山脈および南部国境のアカライ山脈から海岸低地に向かってゆるやかに傾斜,これら山地に発するエセクイボ川デメララ川,バービス川,コランタイン川などが北流して大西洋に注ぐ。高温多雨の熱帯気候に属し,ジョージタウンで月平均気温 26~28℃,年降水量約 2200mm。国土の 70%以上が熱帯雨林に覆われ,年降水量約 1800mmに減少する南西部はサバナとなっている。住民の約 30%は植民地時代初期に奴隷として連れてこられたアフリカの黒人で,約 45%は 1838年の奴隷制廃止後に年季契約労働者として来住したインド人の子孫。ほかは混血,ラテンアメリカインディアン(インディオ),ヨーロッパ人など。公用語は英語であるが,クレオル語(フランス語の方言)も広く用いられ,ヒンディー語ウルドゥー語を話す住民もいる。人口の約 90%が狭い海岸低地に住み,農業もここに集中。ギアナ地方の植民活動は 17~18世紀におもにオランダ人により進められ,1732年にはバービス川河口にも植民地が建設された。1780~1815年にはヨーロッパ列強の抗争によりこの地方の領有がめまぐるしく変わったが,ナポレオン戦争後結ばれたパリ条約により,バービス,デメララ,エセクイボ 3植民地がイギリス領となり,1831年これらが統合されて単一の植民地イギリス領ギアナとなった。1953年新憲法が制定されたのち,人民進歩党 PPPと人民国家会議党 PNCの抗争のうちに独立の機運が高まり,1966年5月26日ガイアナの名のもとに独立,イギリス連邦の構成国となった。1970年共和制へ移行。ボーキサイトと砂糖の輸出が経済を支える。主産業は農業で,キャッサバ,トウモロコシ,野菜,柑橘類などのほか,換金作物としてサトウキビ,イネ,コーヒー,カカオの栽培が盛ん。鉱物資源に恵まれ,ボーキサイトのほか,マンガン,金,ダイヤモンドなどを産する。森林資源は豊富であるが,輸送,製材などの諸施設の不足から大部分未開発。漁業はあまり発展していないが,近年エビ漁が盛んとなり,おもに輸出に向けられている。工業は製糖,精米を中心とした食品工業のほか,マッチ,石鹸,衣料などの日用品が製造されるにとどまる。経済は独立後も外国資本の支配下にあったが,1970年代に入って国有化が進められ,砂糖,ボーキサイトの二大産業をはじめ,大部分の外国系企業が国有化されたが,1990年代から民営化に転じている。対外累積債務に悩み,1人あたりの国民総生産 GNPは南アメリカで最低水準。道路網は海岸低地では比較的よく発達しているが,内陸部では未発達。

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百科事典マイペディア 「ガイアナ」の意味・わかりやすい解説

ガイアナ

◎正式名称−ガイアナ共和国Republic of Guyana。◎面積−21万4999km2。◎人口−75万人(2012)。◎首都−ジョージタウンGeorgetown(12万人,2012)。◎住民−インド・パキスタン系50%,アフリカ系30%,混血12%,原住民アメリンディアン4%など。◎宗教−キリスト教57%,ヒンドゥー教33%,イスラム9%。◎言語−英語(公用語),ヒンディー語など。◎通貨−ガイアナ・ドルGuyana Dollar。◎元首−大統領,デービット・A・グレンジャー(2015年5月就任,任期5年)。◎首相−モーゼス・ナガモートー(大統領が任命,2015年5月発足)。◎憲法−1980年10月発効。◎国会−一院制(定員65,任期5年)。最近の選挙は2011年11月。◎GDP−12億ドル(2008)。◎1人当りGNP−1130ドル(2006)。◎農林・漁業就業者比率−19%(1997)。◎平均寿命−男63.6歳,女68.9歳(2013)。◎乳児死亡率−25‰(2010)。◎識字率−98.6%(2001)。    *    *南米北東部の共和国。エセキボ川が中央を南から北に貫流,国土の約85%がゆるやかに大西洋岸に傾く丘陵地帯。年平均気温27℃。北西部,ベネズエラ国境はサバンナ地帯で牧牛が行われ,中部は密林地帯で木材を産する。大西洋沿岸部は豊かな農業地帯で,サトウキビ,米が主産物。金,ダイヤモンド,ボーキサイトの鉱産がある。 17世紀初めにオランダ領となり,オランダ西インド会社の手で植民地開発が行われた。会社はアフリカ黒人を奴隷として連れてきて,サトウキビを栽培した。1814年英領ギアナとなり,1834年の奴隷制廃止後はインドから大量の労働力が移入された。第2次大戦後住民の自治要求が高まり,1961年内政の自治を獲得した。1966年イギリス連邦内の自治領として独立。1980年協同組合を基礎とする社会主義建設を目ざした新憲法を発効させた。しかし,1964年から首相,大統領を務めてきたフォーブス・バーナムが1985年に死去してからは,国営企業の民営化などの経済自由化が進められた。1999年8月に大統領に就任したジャグデオはインド系。2011年11月ラモターが大統領に選出された。隣国ベネズエラとは国土の3分の2を占めるエセキボ地域の領有権問題を抱える。2015年11月の総選挙で,23年ぶりに政権が交代し,グレンジャーが大統領に就任した。
→関連項目ギアナ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ガイアナ」の解説

ガイアナ

ギアナ地方 ①

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