カーン石(読み)かーんせき(英語表記)kernite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーン石」の意味・わかりやすい解説

カーン石
かーんせき
kernite

特殊な堆積(たいせき)岩中に発達するホウ酸塩鉱物の集合体中の主成分鉱物一つアメリカのカリフォルニア州カーンKern郡クレーマーKramer地方原産。ここでは、ホウ砂(しゃ)などとともに、粘土質泥岩中に鉱層をなす、径数十センチメートルに及ぶ巨晶を産する。ホウ素地質時代温泉から供給されたものと考えられている。原産地にちなんで命名された。

加藤 昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のカーン石の言及

【ホウ酸塩鉱物(硼酸塩鉱物)】より

…そのためホウ酸塩鉱物としては100種類以上知られている。主なものはカーン石kernite Na2B4O6(OH)2・3H2O,灰ホウ石colemanite CaB3O4(OH)3・H2O,ルードウィ石ludwigite (Mg,Fe2+)2Fe3+(BO3),ホウ砂などである。これらは重要なホウ素資源で,その成因は火山噴気に起因するものが多く,砂漠地方,塩湖地帯に鉱床を形成する。…

※「カーン石」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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