カール(2世)(読み)かーる(英語表記)Karl Ⅱ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カール(2世)」の意味・わかりやすい解説

カール(2世)
かーる
Karl Ⅱ
(823―877)

通称禿頭(とくとう)王。西フランク国王(在位843~877)。ルードウィヒ1世(ルイ1世、敬虔(けいけん)帝)と後妻ユーディットとの子。父帝が先妻との3人の子供(ロタール1世、ルードウィヒ2世、ピピン)の間に帝国を分割した817年の取決めを、カールのために修正しようとしたため、兄弟間の争いが生じ、843年のベルダン条約により、彼はピレネー山脈よりローヌ、ソーヌ、マース川に至る西フランク王国を獲得した。その後もロタール2世の死に際して、次兄の東フランク国王ルードウィヒ2世と結び、ロタールの領土ロートリンゲンを分割した(メルセン条約、870)。875年ローマで皇帝戴冠(たいかん)されたが、国内の豪族台頭に悩まされ、ノルマン人の侵入にも苦しめられた。

[平城照介]

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旺文社世界史事典 三訂版 「カール(2世)」の解説

カール(2世)
Karl Ⅱ

823〜877
西フランク王国の王(在位843〜877)。禿頭 (とくとう) 王(der Kahle)とも呼ばれる
カール1世の孫。次兄ルートヴィヒと組んで長兄の皇帝ロタール1世を攻め,843年ヴェルダン条約を強制した。ロタール2世の死後,再びルートヴィヒと協力し,870年のメルセン条約でその遺領を分割した。その結果,ルートヴィヒは東フランク王,カールは西フランク王となった。

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