日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カー(John Kerr)
かー
John Kerr
(1824―1907)
イギリス(スコットランド)の物理学者。1841~1849年グラスゴー大学で物理学を修め、とくにW・トムソン(ケルビン)の下で実験に従事して才能を示した。しかし、独立教会派の神学校に転じ、聖職者にはならなかったが、グラスゴーの同派の師範学校の数学教師となり(1857)、44年間在職した。このような条件下における研究活動であったが、磁場のかかった媒質中での光の偏光面の回転や、磁極で反射した平面偏光波の楕円(だえん)偏光への変容など、彼の名を冠して「カー効果」とよばれる現象を発見し、電磁場と物質の相互作用の研究の先駆者の一人となった。1890年王立協会会員に選ばれた。教科書や教育に関する著書も多い。
[後藤邦夫]
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