カンピーリ(読み)かんぴーり(英語表記)Massimo Campigli

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンピーリ」の意味・わかりやすい解説

カンピーリ
かんぴーり
Massimo Campigli
(1895―1971)

イタリア画家フィレンツェに生まれる。ミラノ文学を学ぶ。1919年以降、新聞記者としてパリに滞在中、絵をかき始め、スーラレジェピカソエジプト美術などに関心をもった。その後、形而上(けいじじょう)派とも交流をもつなど、つねにアルカイックな具象的絵画を描くが、28年ローマのビラ・ジュリア美術館でエトルリア美術に接して感銘を受け、神話と日常的現実の交錯する超時間的空間のなかに対象を置く作風を生んだ。『舟乗りの妻たち』(1934・ローマ国立近代美術館)の代表作のほか、37年にはデ・キリコらとともにジュネーブの国際連盟本部の壁画制作した。

小川 煕]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンピーリ」の意味・わかりやすい解説

カンピーリ
Campigli, Massimo

[生]1895.7.4. フィレンツェ
[没]1971.5.31. サントロペ
イタリアの具象画家。 1919年ジャーナリストとしてパリに派遣され,その頃から独学で絵画に取組む。キュビスムエスプリ・ヌーボー理念に影響されていたが,28年ローマでエトルリア美術を見て深く感銘,また形而上絵画にも関心を示す。ギリシアの壺のアンフォラのように造形した,無表情な女性の正面像を画面に自在に配置するという一貫した作風で制作。 39~49年ミラノに住んだが,それ以後はパリで活躍。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「カンピーリ」の意味・わかりやすい解説

カンピーリ

イタリアの画家。フィレンツェに生まれ,パリに定住した。絵は独学。キュビスムとエジプト美術に影響されたのち,エトルリア美術心酔。アルカイックな女性像の構成で知られる。パドバ大学の大壁画など壁画作品も多い。代表作に《赤と緑の踊り子たち》(1962年)などがある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android